今回の本は「北九州一家殺人事件」の被告夫婦の子供へのインタビューである。
以前に紹介した、この『消された一家~北九州・連続監禁殺人事件』新潮文庫、
この本は「裁判記録」や傍聴を通して書かれた本であるで、
今回の本は被告夫婦の息子として25年間の歩み、そしてその苦労を切実に
生々しく語ったことの記録である。
著者は別で今回の本は元NHKディレクターで後にフジテレビに入社しプロデューサーを
つとめていて、番組『ノンフィクション』を担当している。
事の起こりは、他の番組で事件を取り上げて番組に対する「クレーム」を
「彼」がプロデューサーに電話してきたことから始まる。
なんどか、電話や直接インタビューするにつれ信頼され
「彼」の妻や親代わりになっている男性を紹介されるまでに親密になる。
それ故に親が「特殊」なまでの監禁・殺人事件を起こして
父親に至っては法廷で傍聴席から笑いが漏れるほど饒舌に面白おかしく
事件を解説するなど、法廷を劇場化するかの様に振る舞った人物だ。
母親は夫から虐待を受けながら言いなりになって殺人を繰り返していったのである。
なお、主犯とされる父は自らに手で殺人はしていない。
今で言う『マインドコントロール』を掛けて被害者が被害者を殺し、
その繰り返しで最後に残ったのは子供達と主犯夫婦のみ・・・
身の毛もよだつ様な異常な世界の中で「彼」は、その後どのような人生を送ってきたのか?
ん~、読まずに死ねるか!