ねこに ねこじゃらし

ねこのそらの話を中心に、ぽつぽつゆっくり更新しています。

トイレの問題 そして酸素室を経て

2019年12月30日 | momoの乳腺腫瘍

 

 

 

momoを獣医さんに連れて行く日々に、もうひとつ心配事が増えました。

それはそらのトイレ問題。

momoが点滴を受け始めてから、トイレに走っていったはずのそらが

何もせずに戻ってくるようになってしまったのです。

様子を見ると クンクン匂いを嗅ぎまくって通過したり

入っても飛び出たり・・。

たまには用を足しているようですが、ものすごい数のペレットが飛散した様は

膀胱炎になってしまった時を思い起こさせます。

点滴の匂いが気になるのかと、ペレットもシートも取り換えトイレを洗って様子を見るも

効果が無くがっくりトイレの側に座っているとそらがきました。

試しにペレットをザクザクと混ぜながら「いつものそらのトイレだよ」というと

トイレに入り、ぐるぐると回った後、わたしの顔を見てからまっすぐ前に向き直り、勢いよくおしっこをしました。

あ~よかった。嬉しくて頬ずりしたいほど 愛おしい瞬間でした。

不安がそうさせていたの? 

答えはわかりませんが、トイレの問題は心配ですから、

草木染めで使うPH試験紙があるのを思い出して使ってみたり、

そらの後ろをついて歩き一進一退しながら、やがてその問題は収まりました。

 

 momoの「どこでもトイレ」状態は初めこそ困惑しましたが

ポケットに女性用のパッドを持ち歩くことを思いつき、様子を見てはあてがって解決していきました。

点滴のおかげで何度も、量もたくさん出るのですが、トイレに連れて行っても、もうちゃんと中にする姿勢をとることが難しくなったので

トイレの外に出ないようにうまく受け止められれば、ナイキャ!と小さく喜んで、

「それ」をくれた母に、いいものをありがとね~と心の中で感謝しながら

こんな話を母と出来たら楽しいだろうなぁと想像していたものです。(*母は特養で過ごしています)

 

 

 と、今書いていることは、記憶を辿って、ではありません。

次々に起こることを書き留める間もないので、写真を撮って簡単なメモを書いてスマホに保存していたので

読み返しながら書いているのですが、正直なところ遠い記憶というか、なんだか人の話の様な感じです。

実感が湧かないまま時間だけが過ぎている そんな感じがしていて・・。

  

  

  ここからは在宅酸素について、です。

 

先生から渡された在宅酸素サービスのパンフレットやHPを何度も見直しながら

信頼出来る会社だと思いながら、まったく未知のことに踏み出す勇気が今一歩でません。

でも、その間にも目の前ではパタンと横になり、苦しそうに顔を上げるmomoがいます。

考えているひまはない、と自分に言い聞かせて日本医療に電話を掛けました。

丁寧な説明の後、「このお電話でお申し込みをたまわりますが」と言われたので

電話をした時点で申し込む気持ちが固まっていたのですぐにお願いすると

獣医さんに処方の確認を取ってまたすぐに折り返しの電話がきました。

医療機器なので お医者さんの処方が必要でした。

設置は翌日の午前中と決まりました。

momoが今まで吸ってきたこの場所のこの空気ではもう暮らせないんだ、

今までの当たり前が遠くへいくような淋しい気持ちと

あーこれでmomoが楽になる、と安堵する気持ちがないまぜになりましたが

電話を掛けたことで、いつもと変わらずなるべく明るくmomoとそらと過ごそう、

そう吹っ切れた気がしました。

 

 

 

 

 

朝4時半。

momoが頭でわたしの手を押してきました。

ご飯? 「ごは~ん」か細くなった声ではっきり催促したmomo。

ダンナさんは既に出勤していたので、わたしが支度に立つと歩いて台所まで食べに来ました。

でもちょびっと食べただけで息があがり、カーペットに戻ったところでコロン。

 

 

 

 

9時過ぎ。催促してまた少し食べました。

最後の点滴には「食欲が出る」副作用があるステロイドが入っていたのでその効果かもしれませんが

食べることで少しでも体力がつけばと、何度でもちょっとずつ食事にしました。

食べて指定席まで戻って一旦休憩、5分経つとまた食べにくるを繰り返すこともあるmomoに

間違ってお水を勧めた時の落胆ぶりときたら・・。

ヨタヨタな足取りでも「自分で食べに行く」姿勢を見せるmomo。

忘れないよ、いつか真似するからね。

 

 

 

 

ずっとこんな時間が続くと思っていたよ・・

切なかったひととき

 

 

 

 

 

 

11時少し前、30kgもある機械を一人で持ち上げてくださって設置完了。

ケージにビニールをかけた簡易酸素室に通した管で酸素が送り込まれる。

いろいろな説明をして担当の方が帰った直後、momoを毛布ごと酸素室に入れました。

 

 

 

 

一瞬不安そうにしたmomoですが、すぐに気持ちよさげに

安心したように体を伸ばしました。

楽なんだにゃ。

 

心配そうなのはそら。

 

 

 

 

呼吸が楽になったmomoを見て安心すると、わたしはドラッグストアへ急ぎました。 

酸素室の中にペットシーツを敷かないと。なんで前もって用意しなかったかな。

ところが ペット用シーツはどれも大きすぎますし

人間の介護用品売り場のものも やはり大きさが合いません。

最後に人間の赤ちゃん用のフラットなライナーを見つけたので購入したのですが

家に帰って開けてみると女性用のパッドと大して変わらない大きさでがっかりしました。

 

ですが、これが大正解でした。

神経質なmomoのこと、おしっこが出なくなったのではと心配になった次の瞬間

あ、これ、吸収したら表面はサラサラ しかも匂いもしない

CMの通りと感心しきりでした。

これでmomoがどんな向きになっても安心です。

わたしが手を入れてmomoの体勢を無理やり替えたりせずに済みますし、

汚れた部分だけを取り換えて、momoを快適に過ごさせてあげることができました。

 

 

 

 

酸素室に入ったmomoをご飯やお水、トイレのタイミングで出すときは酸素濃度を徐々に下げたり難しいことが必要なのか

担当の方にきくと、主治医さんに確認してくださいとのことだったのですが

 

 

 

 

 

ここに入ったお陰で体が動くようになったmomoの行動で、

どんどん解決していくのが、こんな状況でも喜べることがあるんだと感激でした。

 

 

 

 

夜の合宿生活も苦しそうな表情が消えたmomoに安心して寝込んでしまうと

開けていた扉からバリバリを頭で開けて出てしまい、カーペットの上で寝ていたり

 

 

 

わたしがトイレに行った隙にお風呂場まで遠出・・

さすがに帰りは途中で横になってしまうので

寝る時は柵を閉めることにしたり

酸素室を借りて本当に良かったと思えたことは

 

 

momoが元気を取り戻した姿を見せてくれたことでした。

 

 

 

トイレに行くという強い意志を感じた時は

呼吸困難がどれだけmomoから行動力を奪っていたのか

いやというほど思い知らされました。

 

 

 

そこトイレって決めてない?

出るなり用を足すmomo。

トイレに間に合わなくても

寝たままではしないにゃん

トイレの問題って、誰にとっても最後まで大切なんだな。

よく覚えておくよ。

 

 

 

テレパシーの交換?

気づくとふたりはよく見つめ合っていたなぁ。

 

 

 

 

 

リラックスできたね

 

 

 

 

 

 

 

 ここまででかけてきたmomoを連れ帰る時

後ろ足が、自分で帰れるにゃん

って反発してたね

すっごい嬉しかったよ

 

 

 

14日の土曜日には 何度も何度も脱走を繰り返し

もうあの部屋には戻らないって決意表明かと思ったほど

30分もわたしにだかれて過ごしてたけど

最後には自分から酸素室に戻ったmomo・・・。

そう、momoが決めていいんだからね。

猫はその時を察すると姿を消す・・その言葉にずいぶん縛られて

かえってmomoを困らせたかもしれません。

 

夕飯はダンナサンが買ってきてくれたアジを思いっきり食べて

わたしの指まで噛んでくれたね

 秋刀魚一筋をどんでん返しの晩秋

 

 

 

 

 

 

 

 

酸素室に入って増えてた食事量が元の量に戻り 

月曜日の昼過ぎにジュレを食べたけど

昨日のような元気は出なかった

 

 

 

 3時半、momoが柵に頭を押し当ててうっ伏している、

ハッと目が覚めたけどそれは夢だった。

でもmomoの息は静かすぎて寝ることも出来ないので起きることにした。

時間が経ってもmomoが静かなままで

それでなのか、それまで酸素室の機材にまったく頓着のなかったそらが

管やビニールに執拗にじゃれ始める 。

それでもmomoは無反応で 

寝そべってすらご飯も食べず、お水を飲んではガタンと音を立てて倒れこみ

おでこを撫でても甘える仕草もなくなってしまいました。

酸素室の中なのに苦しそうなmomo。

わたしが決めることではない。

でも最後は抱っこしていたい。

 

 

momo 抱っこしていい?

マフラーでくるんで抱き上げ、大好きだった二階の部屋をまわり、ベランダに出てお日様を浴びて、

窓辺に腰を下ろした時momoがわたしの顔を見上げてはっきりと「お・・」「お・・」と言いました。

話しかけてくれていると思えるはっきりした口調でした。

そのあとゆっくり目尻を下げ口角をあげたmomo。

笑ってる。

スローモーションのような一瞬でした。 

 

 

 

 

 

momo姐は

ここから空に行ったんだにゃ。

 

 

今でも反芻してみます。

振り返っても何処にも姿のないmomo。

哀しくて仕方ないですが、

たしかに一緒にいたという実感が少しずつ増してきて、

支えてくれていることを感じ始めています。