夢

結婚狂騒曲・エピローグ

意地と見栄だけでワガママを
とおさせてもらった結婚式が終わった。
自分の息子のためというより、ただただ
私自身の思いで企画運営したので、
だまって従ってくださった村上家の
みなさんには本当に申し訳ないし
感謝しています。
祐子さんがいたら、きっとこんなド派手な
ことは出来なかったと思う。
２日間にわけて式と披露宴をして、
招待者も引き出物も私が決めて、
なまの雅楽隊に電撃ネットワーク(本物)と
矢島美容室(偽物)まで呼んでもらって、
おやぢには一切クチを出させないつもりで
突っ走ってきた。
何か文句を言われたら刺し違える覚悟で
実際、キレそうになったこともあるけど
終わるまでは、とギリギリ我慢をした。
ただ「祐子さんと私のため」に。

せめて徳山、山口くらいの範囲では
誰も見たことのない結婚式をするつもりで
金に糸目はつけなかったし、他人の気持ちも
まるで無視…祐子さんの家族には
ずいぶん辛い思いをさせたと思う。
結局、自分の口からは一言の御礼も言えず、
馬鹿みたいに泣くだけだったのだが、
はからずも、この母の気持ちを一番
わかっていたのが新郎げむだったのだ、と
サンルートの最後のサプライズDVDで
やっとわかった。
なんだかサプライズ合戦みたいなことに
なってしまっていたけど、本当に参りました。
「ありがとう」と言うのはあんたではなくて
私のほうです。
あんたの財産は「嫁」と「友達」なんだから
大切に大事にしてください。
あんたのために遠くから来てくれて、
初対面の私にも「しょうこさんしょうこさん」と
呼んでくれて、それが私は一番嬉しかった。

ゆうべ唐突に祐子さんの夢を見た。
「もー、いやーねー、恥ずかしいよー」と
言いながら笑っていた。
きっと祐子さんは許してくれただろうな^^;