ツルウメモドキ(蔓梅擬)
学名:Celastrus orbiculatus
科名/属名:ニシキギ科 ツルウメモドキ属 花期:5~6月
別名: ヤマガキ ウメモドキなど
原産・分布:本州 四国 九州 沖縄 朝鮮半島 中国 南千島
名前の由来:蔓性で真赤な果実が群がって付く様子が梅擬に似ている事から
蔓
他の木に絡み這い上がる。蔓は左巻きで蔓の太いものは直径25cm程度になる。
葉
卵形の基部はクサビ型で葉先が急に細くなり小さく突き出す。
鋸歯は波型で不揃い。秋に黄色に黄葉する。
花
実はよく目立つが花は地味で小さく目立たない。葉腋から短い集散花序を出し
黄緑色の小さな花が10数個開く。雌雄異株
雌花
退化した短い雄蕊が5個と柱頭が3裂した雌蕊が1個ある。
果実
蒴果は球状で秋に黄色に熟すと3つに裂け中から赤色の仮種子が現れる。
蔓性の仮種子が美しいので生け花やリースによく使われる。
若い果実は緑色で次第に黄色味を帯びて完熟すると中から真っ赤な実が見える。
種
皮が裂けて赤い実が現れるのはニシキギの特徴で落葉後も枝上に残る。
野鳥を引き付ける
果皮の黄色と仮種皮の赤の鮮やかな対比は種子を運んでもらう
鳥の目を引く作戦らしい。
ツグミ ヒヨドリ ウソ メジロ ヤマドリ キジなど主に鳥によって
種子が散布される。
蔓の利用
花材の他鹿児島県では牛の鼻輪にした事からハナグイカズラと言う。
この蔓は繊維が強いので昔は薪を束ねるのにも使われたと言う。
アイヌの衣服「アットゥㇱ」
アイヌ民族の伝統的な衣服「アットゥㇱ」はオヒョウやハルニレ、シナノキ
などと共にツルウメモドキの樹皮繊維も使われている。
繊維の採取は12月~翌年3月に蔓状の枝を取り縦に半分に割って樹皮を内皮と
外皮に分ける。内皮を束ねて熱湯に数分間漬け濃い緑色になったら雪の上で
二週間ほど晒して白くしこれを細かく裂いて撚り地機で布に織りあげる。
その他
荷負い縄や弓の弦 女性の下帯やメカジキ漁の銛を結ぶ紐など
丈夫さが求められる道具に利用した。
森と水の郷あきた 樹木シリーズ95より
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