この本はフリーペーパー誌に連載されていた藤原新也氏の短編集です。
実は何気に本屋さんで見かけたこのタイトルが気にいり
手に取った一冊ですが これが なんか よかったです。
すごく感動するとか 面白いとか そんな感じじゃ全然ないんだけど
どちらかといえば暗め。。
イケメンのヒーローもいなければ
頭脳明晰な探偵もいないし
そこそこ今風のギャルも登場してきません。
主人公は ネット難民だったり 死期の迫った初老の男性だったり
でも不思議と悲しいとか暗い感じになるというのじゃなくて
漣のように静かな感動がひたひたと満ちてくる感じがして
知らず知らずに泣いてました。
読んでいくうちに この タイトルが なるほどなぁ~って思い当たってきます。
実際 同じタイトルの短編も収録されているのですが
コスモスのように ささやかに野に咲く花たち・・
でも その花の影には 宝物のように守らねばならないもの
生きていく糧のようなものが 隠されているのです。
それがあるからこそ たおやかに 地面を這ってでも
空に向かって花開けようともがけるのです。
本の帯に書かれている紹介文を引用すると
今日もまたいろいろあるだろうけど 気を取り直して頑張ろう~
そんな気持ちにさせてくれます。