言葉の変遷は早いですね。あと100年後の時代に,いま覚えた単語のうちどれぐらいが残っているんでしょうか。
私のソウル留学時代の冬の必需品といったら번개탄〈-炭〉です。練炭が消えてしまったときに火付け役をする,ヘビ花火みたいな「稲妻練炭」のことです。
練炭を焚いていた時代には必需品だったんですけど,いまでは,もうこんな言葉,聞く機会も無くなりましたね。
日本語でも,練炭,火鉢,七輪…,もうずっと昔の言葉になってしまいました。
そのほかに消えた言葉といえば안내양〈案内孃〉がありますね。何の案内嬢かですって? 안내양といったらバスに決まってます。
토큰も討ち死に状態です。これも日本では聞き慣れない言葉なので,最初は何のことかと思いました。
「トークン」というのはもともとカジノのチップなどのことを指す言葉で,一昔前までは,韓国でバスに乗るのに토큰という乗車券の代わりの代用硬貨が使われていたのです。
いつの間にか토큰が消えて교통 카드〈交通-〉という新しい言葉が生まれました。
それがさらに進化してT money(티머니)として新しく生まれ変わりました。
言ってみればソウル市民用のパスモやスイカのようなものです。
今ではソウルの地下鉄やバスだけでなく全国各地でもこのカードが使えるようになっています。
극장も瀕死の単語です。
극장〈劇場〉とは映画館のこですが,往事の大きな극장は小規模のシネマコンプレックスに取って代わってしまいました。
写真は映画全盛期に서울극장(ソウル劇場),피카디리극장(ピカデリー劇場)と共に「鐘路三大劇場」と呼ばれた단성사(団成社)の在りし姿です。ちょうど배용준の「四月の雪(韓国語題名'외출')を上映中ですね。
70年代頃までの映画しか娯楽のなかった時代に,ここ종로から을지로(乙支路)界隈を抜けて충무로(忠武路)までは,かつてソウルにおける映画のメインストリートでしたが,今の韓流時代の人たちにはその当時の熱気はわからないでしょう。
ちなみにこれは「女性が付き合っている相手を乗り換えること」ですよね。
どこかで読んだことがありますが、どうしてこんな言葉が生まれたのでしょうか。
‘고무신을 거꾸로 신다’라는 표현도 이제 쓰지 않는 걸까요?
이 뜻은 ‘여성이 교제하고 있는 상대를 바꾸는 것’이라는 거라고 어디서 읽었던 적이 있있는데, 어째서 이런 말이 생겼을까요?
韓国語でも달고나,아이스케키なんか聞かなくなりました(>o<)。
そんなの馬のエサだよ~
一時は自慢げに使っていた「慣用句」だったのに、いまじゃ「なにいってんのオッサン?」扱いされますなぁ~
「コムシンを逆さにはく」という表現は初めて知ってから今まで使っている人も聞いたこともありません。
言葉は使ってみないとわかりません。
すごく古い言葉なのかもしれないけど、使ってみたら案外「あなた若く見えるけど随分古い表現をご存知なんですね」と好印象を受けるかもしれないですし
썰렁~대패 줘!
と言われるかも…
むむむ… 「役に立たないはずがない韓国語」を見返してみたら、コムシンだけでなく、今回話題になっているような「旬を過ぎた言葉」ばかり書いてある…
だめだこりゃ。
アイスキャンディーって商品だけなら「ガリガリ君」のほうが今ではメジャーですけど、夏の風物として時代背景まで共有化したいのなら時既に遅しでしょうね。
비닐우산,ベティちゃんの顔が描かれた大きな성냥갑,다방に行くと六角形の形の物もありましたネ。
삐삐,연탄。
달동네なんて言葉もソウルの街からは消えてしまったのでしょうか。
ただし状況設定があり「軍隊に行っている間に」女性に心変わりされた場合に使うということでした。
逆に男性が「軍隊に行っている間に」心変わりした場合は워커를 거꾸로 신다,または군화를 거꾸로 신다というそうです。
군화は漢字語で「軍靴」です。