◆朝日新聞記事「私が私であるために―ベルギーの精神医療改革―」(2.26~2.28付)と言う記事が掲載されました。
ベルギーは日本と同様、精神医療を多くの民間病院が支えており、本人中心の理念をもとに地域医療へと軸足を移し、長期の入院を減らそうと取組みを強化しています。
その取り組みについて掲載されていましたのでまとめてみました。
**前号より*************************************
4.ベルギーの精神医療改革について「やどかりの里 増田理事長」に聞く・・・
◯ベルギーは民間病院の割合が高く病床数が多いという日本同様の課題を抱えていたが、入院中心から地域ケアへの移行という改革が2010年より始まった。
改革が始まる以前は精神病床数が高く、改革に取組んでも成果が上がらない時代が長く続いた。精神科病院の多くは民間経営で、病床が埋まらなければ収入減、職員の失職にもつながるため、病院の反対もあった。
改革が動き出したきっかけはベルギーの当時の保健相がメンタルヘルスを重要課題とし、政府関係者や民間の支援者らと先進国等の視察の中で先進モデルを学び、どうすれば自国に合った形で採り入れられるかを研究した結果、指針として「本人中心」「リカバリ―(回復)」「コ・プロダクション(共同創造)」という考え方を採り入れ改革が軌道に乗った。更に「本人中心」が基礎であり、仕組作りも当事者等の参画が必要。
日本では本人や家族がこうした仕組作りや検討会にどの程度参画しているか?
当事者等が参画する審議システムへ舵を切ることが必要。
日本は社会的支援の不足により、入院を続ける「社会的入院」や長期入院が課題だ。
差別や偏見もまだある。ベルギーは精神医療が変わっただけでなく地域の保健・福祉の支援が豊かだ。私達も変わらなければと思う。
**終わります。*********************************
▢以上で新聞記事の「ベルギーの精神医療改革」を終わります。
日本における精神科医療の歴史はブログNo263(2020.10)「精神科医療の現状と改革の展望」(みんなねっと月刊誌より)にも掲載しました。
「にも包括」の重要性・必要性は分かりつつも各自治体の取組みには濃淡があります。
各自治体に任すのではなく国が中心となった仕組み作りと予算措置をキチンと行うことが必要なのではないでしょうか?
「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」は平成30年度(2018)から「上越市福祉計画」に記載されています。
纏めてみましたがわかりにくい点はご容赦願います。(吉原)
※「コプロダクション」(Co-Production)とは、医療者と患者(クライエント)が対等なパートナーとして意見を出し合い、提供されるサービス内容の決定に両者が関与していくことを意味します。