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11月28日松下幸之助一日一話(松下幸之助.COM)
とどめを刺す
日々のお互いの仕事の中で、もうちょっと念を入れておいたら、とあとから後悔することが少なくないような気がする。
一生懸命に努力して、せっかく九九%までの成果を上げても残りのわずか一%の「止め」がしっかりと刺されていなかったら、それは結局はじめからやらなかったと同じことになる。いや中途半端にやっただけ、むしろマイナスになる場合が多いのではあるまいか。念には念を入れよ、である。
仕事を完全にやり通すのに念の入れ過ぎということはないのである。とどめを刺さない仕事ぶりがあったら、お互いにその不徹底を大いに恥とするほどの厳しい心がけを持ちたいものである。
【コラム】筆洗
2013年11月27日東京新聞TOKYOWeb
▼内田百間(ひゃっけん)さんは相当に頑固な人で一九六七年十二月、芸術院の会員を辞退した時の口上メモはその一端をうかがわせる。実に様子がいい▼「御辞退申シタイ/ナゼカ/芸術院ト云(イ)フ会に這入(ハイ)ルノガイヤナノデス/ナゼイヤカ/気ガ進マナイカラ/ナゼ気ガ進マナイカ/イヤダカラ」
▼作家の山口瞳さんは「首尾一貫していて、辞退の口上としていたれりつくせりの感がある。稀(まれ)にみる名文であると思う」と書いた。会社員なら一度はこんな文句を口にしたいと思うだろう
▼政治は別である。国民の声や野党の言い分に耳を傾けるのは当然であって「イヤダカラ」では済まない。自民、公明両党は、野党の反対を押し切って、特定秘密保護法案の衆院通過に踏み切った。成立が遅れるのが「気ガ進マナイカラ/イヤダカラ」である
▼前日二十五日の福島市での地方公聴会では公述人全員が慎重審議か反対を主張した。だれも賛成していない。それでも、採決に踏み切ったあたり、安倍首相の政治姿勢としては、なるほど「首尾一貫」しているのかもしれない。都合の悪い秘密は国民に教えないまま、閉じ込めてしまえ。都合の悪い議論も閉じてしまえ。そう疑われても仕方がないやり方だろう
▼やっぱりこの法案、「気ガ進マナイカラ/イヤダカラ」。国民にそんな思いを強くさせたとしたら、その責任は安倍首相と与党にある。
☆ 今日も皆さまにとって良い一日でありますように ☆
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