閑静な住宅街の一角に、それらの住宅街とは一線を画したような畑のようなスペースがありました。
その路傍に、荒々しく逞しいヨウシュヤマゴボウの木が生えていました。
何年か前に和菓子屋さんで飾られていたのを見たことがありますが、この実の名前が思い出せませんでした。ただとても懐かしさを覚えた記憶があります。
30年前、この木は息子が小学校1年になった時の理科の教科書に、秋の植物として紹介されていたことを思いだしました。
記憶に残った訳は、息子がこの名前を何度も繰り返していたのが印象的だったからです。
呼びやすい名前だったのでしょう。
以来、この木を見るたびにその時のことを思い出します。
昔の体験は、こうしていつまでもいつまでも繰り返し思い出となって現れます。