横浜シーサイドラインの事故は他人事ではありません。
全く同じシステムで無人運転の日暮里舎人ライナー。関係議員などで調査を行い、緊急に都の担当者に申し入れを行いました。
朝、ラッシュ時には始発駅に駅員を配置とのことで、始発駅の見沼代親水公園駅を調査
7時すぎは無人駅。駅員はいませんでした。その後ラッシュピーク時は緊急配置の駅員がいました。安心感が違いました。
車両基地駅でもある舎人公園駅。無人です。
駅ホームももちろん無人。
申入れ文書を急きょつくって手渡しました。
【申入れ文書】
日暮里舎人ライナーの安全確保に関する緊急要望
2019年6月6日
都議会議員 斎藤まりこ
日本共産党足立区議団
開業以来30年間無事故だった横浜市の新交通システム「シーサイドライン」の逆走事故は、同じ自動運転の新交通システムである日暮里舎人ライナーを利用する区民に大きな衝撃と不安をもたらし、「開業当時と比べると揺れも激しくなっているが大丈夫なのか」などの声もよせられています。
高い安全性を持つとされていた中、運行会社側も「まったく想定していなかった」事故は、全国にあるほかの自動運転路線の信頼性にも影響を与えかねず、国の運輸安全委員会も調査にのりだしましたが、原因究明は長引くとされています。
無人で自動運転をしている新交通システムは全国に7路線しかなく、日暮里舎人ライナーは、その一路線であるだけでなく、駅もほとんどが無人駅であるだけに、不安はぬぐえません。
報道によると日暮里舎人ライナーは、事故後の対応として、「試行線(路)を使っての特別走行点検を全車両で実施(今週内に完了予定)」「走行点検終了まで、折り返し駅のホームにラッシュ時、係員を配置」「ATO装置間の通信状況の動作確認を行う」としています。
日暮里舎人ライナーを頼りにしている足立区西部の住民代表として、以下の点について、明らかにされることと、改善を求めるものです。
1、ATOによる自動運転、ATC装置で走行を制御していた「シーサイドライン」は、逆走が想定されていないため、万が一逆向きに走り出した際に停止させる装置はないといいます。日暮里舎人ライナーはどうなのか、明らかにされたい。
2、シーサイドラインを走る車両は、いずれもオーバーランを起こしたこともなく、5月末に行った目視での「列車検査」で異常は見られず、走行部分などを分解整備する「重要部検査」でも異常はない中での事故でした。事故後に日暮里舎人ライナーで実施した「試行線(路)を使っての特別走行点検」「ATO装置間の通信状況の動作確認を行う」とはどういうものなのか、神戸の新交通システムで緊急実施する「ATO装置の全車両特別点検」とはどうちがうのか、明らかにされたい。
3、今回の事故では、システム自体は進行方向を切り替えて進む方向を正しく認識していたものの、何らかの理由でシステムの指示する方向に進まず逆走したともいわれています。シーサイドラインの自動運転システムにはさまざまなメーカーの装置が使われていますが、車両に搭載している「ATC/ATO車上装置」は日立製作所製で、同社は「共同して原因究明に努める」としています。地上側から信号を受ける「ATC/TD装置」のメーカーである日本信号も「国の調査に積極的に協力」しているところです。日暮里舎人ライナーのシステムメーカーはどうなのか、明らかにされたい。
4、シーサイドライン運営主体は、有人運転による運航再開に踏み切りましたが、運転免許をもつ社員が67人と少ないことが支障となっています。いざという時に多大なリスクが生じることを鑑みて、有人運転への切り替えができる体制整備をしていただきたい。少なくとも事故原因が解明されるまでは、愛知県のリニモ同様に、始発駅から運転士が乗り込み、万が一の場合には、手動で緊急停止できるようにしていただきたい。
5、日暮里舎人ライナーについては、事故を受けて、現在折り返し駅(見沼代親水公園駅)のホームにラッシュ時に限り係員を配置していますが、それも「特別走行点検」が終了する今週末までとされています。少なくとも、ラッシュ時だけでなく利用者の多い7~19時台まで、事故の原因が究明できるまで対応していただきたい。東京圏ワースト5に入る混雑率のライナーだからこそ、人員については折り返し駅だけでなく、全駅に配置をしていただきたい。
以上
懇談で、私は繰り返し安全対策を迫りました。
地上側から信号を受ける「ATC/TD装置」のメーカーは事故車と同じ日本信号であり、車両に搭載している「ATC/ATO車上装置」は三菱電機であることがわかりました。
「逆走」の場合は、「逆走」ではなく、停止するシステムになっていること、日暮里舎人ライナーの開業が、横浜シーサイドラインの20年後だったことから、システムも進化していることもわかり、少し安心しました。
安全対策の「見える化」を行うことも迫り、都は「すすめていかなければならないと考えている」との回答。
それにしても、無人運転無人駅のあり方が、今後問われます。当初から日本共産党が指摘してきた通り、駅に人を配置するなどの必要性を痛感しています。