企業のデジタル化に関して、議論の最先端にいるリーダーの1人は、本を読んだりニュースを見る限り安宅和人さんだろう。デジタルトランスフォーメーション(DX)を成し遂げ、人工知能を使いこなして未来を変革する企業が活躍する社会を追求していて、その発言を追っているのは視点が増える楽しいことだ。
DXを行い人工知能を使うに至るまでのレベル感についてはそのブログの中で図解していて、初めの一歩にきているのは情報のデジタル化である。
これを読むと未来の競争のためには人工知能を活用しなければいけない気持ちになるが、それでは人工知能にはどれくらいの価値があるのだろうか。
これを市場で見てみるには、人工知能の有無の分かる類似の事業の企業をみるのが一つの指標になるだろう。
旅行サポート事業をみると、
米国で2000年に創業されたtripadvisor社は、旅行情報の閲覧者に対する広告表示で人工知能を適用することにより(Forbesの記事)、旅行を後押しして収益化に成功する企業だ。
Googleが旅行事業を伸ばして競合するというリスクはあるものの、今も時価総額は2000億円を超えている。
一方で旅行代理店を営む企業は、コロナ禍の影響もあるが日本では1980年創業のエイチ・アイ・エス社で時価総額1000億円を下回っているなどデジタル勢に遅れをとっている。
この差は、デジタルを用いてリーチした顧客数、リーチした顧客に提供したデジタルサービスの品質によると思える。アメリカの人口が日本の倍なのでtripadvisorは有利であるが、創業からの時間も考えればtripadvisorはより投資家に応える経営を出来ていると言える。
人工知能の活用を進める経営陣に、投資家の注目は今後集まるのではないかと思う。
レポートバンクでこれまで作成してきたレポートの一覧
AI活用までいかないまでも、その準備段階となるレベルの簡易で低コストな情報デジタル化の考えをまとめたレポート
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