The Real... / Johnny Cash (2011)
Sonyが出している廉価版CD3枚組シリーズ。今までにディラン(Bob Dylan)とプレスリー(Elvis Presley)を購入したが、どちらも廉価ながら素晴らしい内容で大満足。満を持してジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)版を購入。
相変わらずの信じられない価格ながら音質もソニー・オフィシャルなので全く問題ない。ただ前出のCDとは違い、このジョニー・キャッシュ版ではベスト盤ではなく初期の6枚のアルバム(1958~1962)にボーナス・トラックとして有名な7曲を追加した変則盤。
キャッシュの初期のアルバムはカントリーはもちろん、ゴスペル(宗教)色も強く、アルバムによって随分印象が違う。相変わらず詳しいライナー等は付いていないので(クレジットはちゃんとあり)背景なんかは分からないが、精力的に次々とレコーディングを重ねていってアルバムを発表していたことがうかがい知れる。ま、70年代ぐらいまでは収録時間は短いとはいえ毎年アルバムを発表するのがトップ・アーティストの使命だった訳だけど(それに比べて今のアーティストは1枚出して3年遊びやがる)。風刺の効いた曲とのんびりした曲、宗教色の強い曲、古いブルースが混在し、音楽的な幅の広さも楽しめる。
キャッシュがその真骨頂である体制へ反骨精神や裏街道の人間に対するシンパシーを発揮して緊張感あふれる活動をするのはもう少し後(60年代後期)になるが、これら6枚のアルバムの中にも1-7、1-10、2-2、2-13など重要曲もあり、ボーナス・トラックで有名曲も聴けるので内容は濃い。焦点は絞りにくいのでキャッシュが初めての人には勧めにくいが、好きならお得な好盤。
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