スーパーベスト・オブ・サンディー&ザ・サンセッツ / サンディー&サンセッツ (1997)
アルファから出たサンディー&サンセッツ(Sandii & The Sunsetz)のベスト盤2枚組。聴きたい曲が大体入っていたので購入。悪名高いアルファだけにこの訳の分からないアートワークにはため息も出ない。この”ツインズ”と呼ばれるベスト盤シリーズ、素材は凄いのにどれもジャケを含めてデータ不備など、所属(所有)アーティストに対する愛が全然無くて突っ込みどころ満載(笑)。選曲や曲順もセンスが感じられないが、内容は決して悪くない。自分が彼らを知ったのはもちろんYMO関連経由。細野晴臣プロデュースでソロ名義のファースト「Eating Pleasure」(’81・ジャケ写下左)の収録曲をラジオでエアチェック(死語)したのが最初だったか、スネークマンショー「急いで口で吸え」(’81・ジャケ写下右)収録の「Jimmy Mack」を聴いたのが最初だったか。
サンディーがその昔ソロ歌手やグラビア・モデルだったのは知っていたが、名義を変えて色々な録音に参加(映画主題歌とかゴダイゴとか)していたのはあまりよく知らなかった。82年当時オーストラリアに渡っていた長兄が「今こっちでサンディー&ザ・サンセッツの<Sticky Music>が流行っとるよ。」と教えてくれてびっくりした覚えがある。兄が持ち帰ったシングル盤がうちにまだあるはず。その「Sticky Music」から始まる28曲。テクノ黄金期とあって”あの頃”の音が満載。ヴァージョン違いはあれど、前述のサンディ名義のアルバムと、バンド名義のファースト「Heat Scale」(’81・ジャケ下左)、欧豪で注目された「Immigrants」(’82・ジャケ下右)の曲がほとんど収録されているのが嬉しい(各アルバムあと数曲なのが惜しい)。久保田真琴らしい沖縄~アジアのオリエンタルな旋律とロックの融合が、サンディーというインターレイシャルな存在のごちゃ混ぜの言語とのミックスで、より無国籍でポップな独特の存在になっている。当時世界にそのまま通用した数少ない日本のバンド。久しぶりに聴いたらもっと気恥ずかしいかと思ったが、この辺りの音、しっくりくるなァ(笑)。音が出た瞬間に「YMO!」と言ってしまいそうな”細野節”もあちらこちらに垣間見える。それにしても1981年辺りのテクノの密度って凄かったんだなァ。
amazonにて購入(¥825)
- CD (1997/8/27)
- Disc : 2
- Label : アルファレコード