写真一枚撮ることもなく別れたり二十歳(はたち)の恋は褪せることなく
一枚の写真も撮らずに別れたり二十歳(はたち)の恋は褪せることなく (推敲)
白衣着て母の病を治す夢 クルシイと言へずに囚はれてゐき
白衣着て母の病を治す夢 クルシイと言へず囚はれてゐた (推敲)
「御食国(みけつくに)にようこそ」看板むかへくる玉ねぎ匂ふ淡路の島に
「御食国(みけつくに)にようこそ」の看板むかへくる玉ねぎ匂ふ淡路の島に(推敲)
「この人は何を言つても赦される」そう思はせし己に怒る
訂正 「そう思はせし」 → 「さう思はせし」
「この人には何を言つても赦される」さう思はせしおのれに怒る (推敲)
肉骨粉、にくこつぷんと唱へれば口輪筋の伸びてゆきたり
肉骨粉、にくこつぷんと独り言(ご)つ口輪筋をしつかり伸ばし(推敲)
病める日も祝ひの後も立つてゐた生きてるうちは台所に立つ
病める日も祝ひのあとも立つてゐた生きてるうちは台所に立つ (推敲)