経営コンサルタントへの道

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【日本庭園を知って楽しむ】4-72 露地(茶庭)を知るには利休を知れ

2024-12-08 17:03:00 | 【カシャリ!一人旅】 日本庭園を知る

  【日本庭園を知って楽しむ】4-2 露地(茶庭)を知るには利休を知れ  

  若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。

 旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。

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 日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。

 下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。

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■■4 三分類法による日本庭園の鑑賞法
 既述の通り、ここでは、日本庭園を自然風景式庭園、枯山水庭園、露地庭園という三分類を核にしてご紹介します。
 すでに紹介済みであった内容と重複することもありますが、その三分類をさらに細分化したり、切り口を変えたりして、初心者なりの鑑賞法をご紹介します。専門家の先生方には侮蔑されるかも知れませんが、私なりの分類法をご紹介して参ります。
 なお、本章でのご紹介は、コトバンク、Wikipediaや上述の宮元健次氏等々を参考にし、宮元健次氏の分類法をもとに、初心者が独断と偏見に基づいた内容です。また、当ブログですでに紹介した内容を繰り返し掲載することもあります。勝手ながら、正式な情報は、読者の皆さんのお考えに基づいてお探し下さると幸いです。

■4-2 露地(茶庭)を知るには利休を知れ

 千利休の流れが、現在千家流と呼ばれるお茶の流派となっています。
 利休の没後、茶道が大名によって継承されるようになりますと、茶室も草庵風から書院風へと変わり、より華やかな、「きれいさび」と呼ばれるようになり、現在、織部流や遠州流と言われる流派となっています。

 既述の通り、茶の湯を「わび」「さび」といった美意識によって完成の域に導いたのは、千利休です。利休には、七哲と呼ばれる茶道の弟子がありました。その直系として、彼の茶道を現在まで伝えたのは、3つの千家、すなわち一般に「三千家(さんせんけ)」と呼ばれる流派です。
 1591年、利休切腹後、その子宗旦(そうたん)が千家を再興します。宗旦には、4人の息子がいましたが、次男の宗守は、武者小路の地において茶を極め、現在武者小路千家と呼ばれる流派として継承されています。
 また、三男宗左は、紀州家に茶道指南として仕え、現在の表千家として受け継がれ、さらに四男宗室は、加賀前田家の茶道指南となり、裏千家として今に残ります。
 この三千家に対し、徳川家に仕える将軍指南役として、利休の茶を継いだのは、古田織部であり、さらにその弟子として将軍指南になったのは、小堀遠州でした。

 いろいろな茶人たちにおける茶室の露地の作り方を比較してみますと、三千家は、忠実に利休の手法を継承しています。一方、織部の手法は利休とは一線を画しています。
 また、遠州は織部の作り方をさらに、発展させています。織部と遠州には継承があるといえますが、利休と織部には断絶があったといえます。これらをまとめれば、茶室の路地は大きく千家系と織部・遠州系の二つに分類できるといえます。

 その違いの例としてしばしば挙げられるのが、落ち葉に対する扱いに見られます。冬に樹木を霜から守るための敷松葉について比較して見ましょう。
 利休は、露地の掃除を茶室の数時間前にしておき、その後に散った落ち葉の自然の姿をめでたといいます。一方、利休の弟子の織部は、自然の落ち葉に対して、松葉だけを選り揃えて蒔いたといいます。そして、その弟子の遠州は、織部のやり方をさらに進めて、巧妙に模様をつけて、落ち葉を敷いたというのです。
 また、飛び石に関しても、自然の川原石ばかりを好んだ利休に対し、織部や遠州は切石や定規で計って加工したような手水鉢などを用いました。遠州はさらにそれを進め、孤篷庵(こほうあん)の石橋では、切石を組み合わせて橋を作っています。

 植栽や石の色彩についても、それまでの極度に有彩色を廃した利休の露地に対し、織部は豊かな色彩を導入し、遠州は、それをさらに大量に用いているのです。
 すなわち、利休から織部、遠州と手法が継承されるにつれ、露地の意匠が日本古来の自然風景式から整形式へと劇的変化を遂げていることに注意しなければなりません。
 一方、このような変化は、単に露地の意匠のみに見られるのではなく、彼らの茶の作法全体について、「置き合わせ」を始め処々に散見できることなのです。

 露地は鑑賞するのではなく、茶庭までの道を通ってスムーズに茶庭に至れるような工夫が処々になされています。「庭そのものに実用性を持たせる」という特徴があると言っても過言ではなく、また、茶庭が、一般的に華やかさを求めない理由は、実用性という部分にもあります。
 露地というのは、茶の湯の世界へ入るための神聖な場所といえます。露地を見たり、通ったりする際は、庭園として鑑賞して楽しむのというよりは、むしろ、その空間を堪能するという意識で、拝見したいと考えます。

(【Wikipedia】、宮元健次氏、重森完途氏・コトバンクを参照して作成)

■ 日本を代表する庭園        
      都道府県別    

 

 

  リスト http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmovie.htm

 

 ■ カシャリ! ひとり旅



ユーチューブで視る 【カシャリ!庭園めぐりの旅】

写真集は、下記URLよりご覧いただくことができます。

静止画: http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmeisho.htm
映像:  http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmovie.htm 

【 注 】 映像集と庭園めぐりは、重複した映像が含まれています


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