経営コンサルタントへの道

コンサルタントのためのコンサルタントが、半世紀にわたる経験に基づき、経営やコンサルティングに関し毎日複数のブログを発信

■【心 de 経営】『書話力』を高める 7118 〃話のネタ〃の選び方 欲求に関する話

2025-02-27 12:03:00 | 【心 de 経営】 表現力を高める

  ■【心 de 経営】『書話力』を高める 7118 〃話のネタ〃の選び方 欲求に関する話 


 私には、「正しい日本語」とはなにか、というようなことを書いていくだけのバックグラウンドがあるわけではありません。一方で、人前でお話をする機会が多々あります。少しでも「美しい日本語ですね」と言われるような言い方をしたいと平素からこころがけています。
 経営コンサルタント歴半世紀の経験から体得した『書話力』を皆さんとわかちたいと考え、図々しくここにご紹介します。あまりにも「あたり前」すぎて、笑われてしまうかも知れませんが、「あたり前のことが、あたり前にできる」という心情から、お節介焼き精神でお届けします。
■【あたりまえ経営のすすめ】3 すべてのビジネスパーソンがめざす一歩上の発想とスキル
  時代に即したスキルを磨きながら、業務に活かし、自分の更なる成長に繋げるにはどうしたらよいのでしょうか。その方法は、多岐にわたると思います。
 「あたりまえ経営のきょうか書」シリーズの第三章として、経営コンサルタントという仕事を通して、感じてきたことを、ビジネスパーソンに共通する面を中心にお話しています。
■3-710 〃話のタネ〃 テーマ・話材の選び方

 「日本人は、議論に弱い」「日本人は、論理的な話し方ができない」などとしばしば言われます。かくいう私も、そう言われる人間のひとりです。
 しかし、経営コンサルタントという仕事を半世紀も続けているうちに、それでは通じず、次第に、私なりの話し方やビジネスの仕方が、不充分ながら身についてきたように思えます。話すだけではなく、書くことにも共通する「表現力」というスキルがビジネスパーソンには不可欠です。「書く力」「話す力」をあわせて『書話の力』といい、表現力というスキルの一翼を担わせています。
 この体験は、当ブログ「【小説】竹根好助の経営コンサルタント起業」としてもお届けしています。
 
https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/c39d85bcbaef8d346f607cef1ecfe950
■7118 〃話のネタ〃の選び方 欲求に関する話
 人間は、いろいろなことを欲求します。「マズローの欲求5段階説」というのがあります。アメリカの心理学者アブラハム・マズローが、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮説を立て、「人間の欲求を5段階の階層で理論化したもの」としてまとめました。
 「人間の欲求というのは、果てしない」といわれるほど、欲求する内容や度合いは高くなって行きます。それだけ関心が強いテーマであるのです。話し手は、そのような聞き手の欲求を、よく理解し、それを〃話のネタ〃として取り上げますと多くの場合に成功します。そのためには、聴き手がどのような欲求をもっているのか、どのような話を聞きたいと思っているのか等を知っておかなければなりません。

 マズローの欲求5段階説をもとに見てみましょう。


①生理的欲求
 人間というのは、生きていくために、食べたり、飲んだり、眠ったりという、最も基本的な欲求が満たされる必要があります。これを「生理的欲求」といっています。
 自然災害の直後などで、まず直面する問題です。

②安全欲求
 生理的欲求が満たされますと、次に求めるものは、自分の身を守ることです。
 生理的欲求の食べ物や飲み物も、空腹の時にはどのようなものでも飲食できてしまいます。しかし、生理的欲求が何とか満たされるようになりますと、安全な食べ物や飲み物を求めるようになります。
 私達コンサルタント・士業は、そのための物流や生産などで、何をしたら良いのかを考え、アドバイスをする立場にいます。あるいは、職場の作業条件の改善なども取り上げる必要が出て来るかもしれません。また、それらを手に入れやすくするために、給料やボーナスなどが安定的に、公平に支給されるような仕組み創りも必要になります。
 リスク管理の視点でのコンサルティングという業務もあります。生活の安全性、企業経営の安全性など、安全に対する欲求は、自分の身を守るためには不可欠な欲求といえます。

③帰属と愛情の欲求
 人間は、ロビンソン・クルーソー物語を読んでも解りますように、一人では生きて行くことは大変困難です。そのために、仲間と群れることを求めます。組織の一員となりますと、相互の人間関係も意識します。人間には「社会生活」という集団生活が不可欠であるとともに、その難しさにもしばしば直面します。
 また、社会という中でも、同じような考え、同じような趣味嗜好、等々いろいろな切り口で仲間が集うことを好む人もいます。すなわち「自分の好み・目的などにあうグル—プに加入したい」という欲求を持つことがあります。そこに所属することにより、自己成長の機会が発生することもあります。社交的な娯楽や趣味教養などのグループがその代表的な例といえます。同じような辛い人達が集まる被害者団体なども情報交換という観点では効果的です。
 コンサルタント・士業であれば、同様な資格を持っている人の集まりであったり、あえて異業種・異種資格の人達と集まったりして研鑽することがあるでしょう。例えばコンサルタント・士業が、経営者・管理職を組織化し、その人達に情報提供をしたり、セミナーを開催したりし、人間関係ができると顧問契約に結びついたりすることにも繋がるでしょう。
 人間関係構築という観点では、信頼性や思いやりなどの要素が絡み、関係者同士の結束が強くなったり、士気に繋がったりすることもあるでしょう。
 「組織に参画」することによって、心の安寧を得られるように求める、前二者とは異なる「欲求」といえます。

④尊敬の欲求
 人間の多くは、自己を成長させ、より良い職業に就きたい、より高い地位について大きな仕事をしたい、より経済的に安定したい、などと成長を求める欲求もあります。その背景には、それが達成された時点で、他の人から、自分を見る目が異なることへの快感を求める「尊敬の欲求」という、前者である、「帰属と愛情の欲求」よりも更に上位の欲求段階が起こってきます。すなわち、組織の中で生きてゆくなかで、自分という存在を認めてほしいという自我意識が強くなり、その結果、自分が尊敬されるようにありたいと願う気持ちが高まるのです。
 「自尊心をもつ欲求」といえるのでしょうか、昇進・昇格やそれにともなって付いてくる待遇改善などに興味を持ちます。自分の企画提案や意見・発言などを認められたいという気持ちもあります。また、自分の能力やスキルを高く評価してほしいと願うこともあります。
 その達成のために、セミナーや研修会を受講したり、読書やネットを利用して情報集をして自分を高めて、その結果を認められたいと努力することにも繋がるでしょう。場合によりたりしますと、自分の希望する部署への配置転換や転職などを考えるかもしれません。
 コンサルタント・士業としては、そのような社員さん達の欲求に応えるべく、例えば資格・昇格制度や人事制度の改善アドバイスやコンサルティングに繋げることもあるでしょう。経営の安定化や戦略のために各種提案をし、コンサルタント・士業としての存在感を認められるような活動も行われることも良いでしょう。

⑤自己実現の欲求
 これまでの諸欲求を重ね、最後は、自分がこのようにありたい、このような人生を過ごしたい、このような社会地位に就きたい、大金持ちになりたいというように、高みを望む気持ちを持つことが「自己実現の欲求」段階です。マズローは、これを最上位に掲げています。
 コンサルタント・士業としての資格取得や実績の積み重ね、等々、自分の実力でクライアントが繁栄できることへの喜びを感じられるでしょう。そのための目的・目標の変更などを、スパイラルアップに繋げたいという気持ちは、大多数のコンサルタント・士業が持つと思います。
 自我意識を満たすことは、自分のありたい姿を実現したいという考えであり、成長に繋がる欲求といえます。
ます。

 マズローの欲求五段階説に見られますように、人間の欲求というのは、ひとつが達成されますと、次の欲求へと展開するのが一般的です。それに応えるのがコンサルタント・士業の仕事です。
 その時に、例えば経営コンサルタントであれば、相手企業の経営者・管理職の立場に立った視点が不可欠です。しかし、それを頭で理解することはできても、真に相手の立場に立つことは難しいです。
 また、例えば社労士の先生であれば、労働者の立場、企業の人事労務担当者の立場など、相手の立場への理解が寛容です。
 マズローの欲求5段階説だけではなく、あらゆる角度から相手の立場に立って思考する〃クセ〃を平素から身につけていますと、コンサルティング現場だけではなく、書いたり、話したりするときの〃話のネタ〃にもなります。

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