コロナ渦のなかで、医療の現場や保健所に大きな負担がのしかかっている。
これは予測できないことだからしょうがない?
そう思っている人も多いと思う。でもそうではない。
自民党政権の「合理化」という名のもと、国立・公立・公的病院の数は1822から1524と減らされた。そしてこのコロナ渦のもと急性対応病床を73万から53万に削減する…。1992年には852か所あった保健所も、2020年には469か所へと半分にまで減らされている。人口が集中する横浜市や名古屋市、大阪市などの巨大都市にも保健所は1つしかない。
医療が逼迫し、保健所も疲弊する。その原因は長きに渡ってつくられてきたものだ。
こういった緊急事態は「何百年に1度」「稀」にしかないから誰も予想できない?だからしょうがない?
それは違う。医療・福祉・社会保障というのは「もしものとき」に備えるものであり、「儲け」や「効率」で考えるものではない。だからこそ税金で国や自治体が一番にフォローしていかなければならないのだ。
菅さん(総理)は、5日に記者会見を開き、東京、神奈川、埼玉、千葉に発令中の緊急事態宣言を2週間再延長するとした。しかしその会見からは新たな「対策」「支援」は見当たらず…なんのための2週間なのか…不安しか残らなかった。
気になったのは、感染再拡大を防ぐために、テレビやCM、SNS、動画を使って「若者をはじめ幅広い層に対して、宣伝をコマーシャルを従来より倍増ぐらい徹底する」と述べていることだ…。
いったいここにいくら使うつもりなんだろうか?もうみんなわかっているんだよ。そんなことわっ!「政治」が真っ当なことをしないから、みんな不安や不満をもっている。「政治」の役割は、無意味な宣伝で大手広告代理店を「儲け」させることでなく、きちんとした「対策」と「支援」を打ち出すことだ。
コロナ渦のなか、暮らしや営業への「支援策」として、世界で50か国が付加価値税(日本でいうところの消費税)の減税に踏み出している。ドイツ、フィンランド、ウルグアイ、オランダ、ケニアなど多くの国が観光や宿泊、飲食を対象に減税。日本のような感染拡大を招き、いつ再開できるかもわからない間接的な「Goto」事業ではなく、直接的な支援を行っている。アメリカでは3度目となる現金給付が決まった。
イギリスでは、コロナ対策で傷んだ財政を、これまで大きな「儲け」を生み出してきた大企業への法人税率引き上げ(19%から25%)により打開していくという。この大企業への法人税率引き上げは約半世紀ぶりだとか。
世界は「支援」も「対策」も大きく打ち出している。
なぜ日本でそれができない?
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