解労散(かいろうさん)のお話です。
専門的に言いますと、脾虚肝実証という状態で、肝血の発生、発散作用が弱くなって起きた気欝から起きている症状全般に使います。
だから、題名の「肩こりの名薬」といってしまいますと、「解労散」の使い方を限定してしまうことになって、余りよくありません。しかし、病名を書かないと一般の方々には何に使う薬かわからないので、敢えて書いているのです。
しかし、もちろん体質が合えばですが、肩こりにむちゃくちゃ効くことは確かです。
この方剤をつかう目標は現代で言う「心身症」にちかい状態です。だから、過労、ストレスから起きる症状で、仕事などで考え込むことが多くて、消化器系に負担がかかって、肝とその経絡に熱がこもっている状態であれば、この方剤を使ってみる価値があります。
病名を強いてあげてみると、過労による頑固な肩こり、心身症による各症状、心窩部痛、胆石症、胃潰瘍などに使えます。
本当に漢方医学を学ぶ為には、古典医学書を無視することはできません。
しかしながら、実際には古典医学書を読まずに、病名と漢方薬を結びつけるだけで、体質と漢方薬の相関関係や、東洋哲学的な学習をされていない方もいらっしゃいます。彼らは漢方方剤の一つ一つの薬剤に含まれた西洋的な名前の物質の検査と実験には驚くほどの知識を発揮いたします。
以前解労散が肩こりに大変よく効くことをご紹介したときなのですが、「解労散が肩こりに効くとは初耳です。説明してください。」という若き薬剤師さんかなと思われる方からご質問がありました。
そこで古典医学書から引用させて頂いて説明をさせて頂きました。
1.「楊氏家蔵方」
治虚勞、積氣堅硬、噎塞胸脇、引背微痛
2.「勿誤薬室方函口訣」(ぶつごやくしつほうかんくけつ)浅田宗伯著
此方ハ四逆散ノ變方ニテ、所謂爲勞者ニ効アリ。又骨蒸ノ初起ニ用ユベシ。
眞ノ虚勞ニハ効ナシ。又四逆散ノ症ニシテ腹中ニ堅塊アル者、用テ特驗アリ。
上記の2文の「引背微痛」と「痃癖」(けんぺき)はとくにこの「痃癖」はまごうかたなき「肩こり」の古典用語です。
この原典の中には「心身症」「胆石症」も「胃潰瘍」という字も、ありません。ただある患者さんの一定の状態というか、アンバランスが起きている状態が記載されていて、この状態の方ならば、どんな病名の方が飲んでも、その病名が発生した体質にアプローチするので、深いところからの効果が認められるというのが、漢方医学の真骨頂です。
きっとこの方の勉強された西洋医学の概念で書かれた書物には「原典」の記載がなかったのでしょう。
私が上記のように説明をさせて頂きますと「それなら納得がいきます!」とのおへんじ。。。。。威勢のよい方でした。。。。
浅田宗伯翁(1815年生まれ~1895年没)(あさだそうはく)
明治時代の漢方医で「栗園(宗伯)の前に栗園なく栗園の後に栗園なし」と言われる程、明治期の漢方薬普及を促した漢方医。
日本伝統鍼灸漢方
写真には可愛くない看板を入れてみました。(なんでこんな看板にしたんだろう)
専門的に言いますと、脾虚肝実証という状態で、肝血の発生、発散作用が弱くなって起きた気欝から起きている症状全般に使います。
だから、題名の「肩こりの名薬」といってしまいますと、「解労散」の使い方を限定してしまうことになって、余りよくありません。しかし、病名を書かないと一般の方々には何に使う薬かわからないので、敢えて書いているのです。
しかし、もちろん体質が合えばですが、肩こりにむちゃくちゃ効くことは確かです。
この方剤をつかう目標は現代で言う「心身症」にちかい状態です。だから、過労、ストレスから起きる症状で、仕事などで考え込むことが多くて、消化器系に負担がかかって、肝とその経絡に熱がこもっている状態であれば、この方剤を使ってみる価値があります。
病名を強いてあげてみると、過労による頑固な肩こり、心身症による各症状、心窩部痛、胆石症、胃潰瘍などに使えます。
本当に漢方医学を学ぶ為には、古典医学書を無視することはできません。
しかしながら、実際には古典医学書を読まずに、病名と漢方薬を結びつけるだけで、体質と漢方薬の相関関係や、東洋哲学的な学習をされていない方もいらっしゃいます。彼らは漢方方剤の一つ一つの薬剤に含まれた西洋的な名前の物質の検査と実験には驚くほどの知識を発揮いたします。
以前解労散が肩こりに大変よく効くことをご紹介したときなのですが、「解労散が肩こりに効くとは初耳です。説明してください。」という若き薬剤師さんかなと思われる方からご質問がありました。
そこで古典医学書から引用させて頂いて説明をさせて頂きました。
1.「楊氏家蔵方」
治虚勞、積氣堅硬、噎塞胸脇、引背微痛
2.「勿誤薬室方函口訣」(ぶつごやくしつほうかんくけつ)浅田宗伯著
此方ハ四逆散ノ變方ニテ、所謂爲勞者ニ効アリ。又骨蒸ノ初起ニ用ユベシ。
眞ノ虚勞ニハ効ナシ。又四逆散ノ症ニシテ腹中ニ堅塊アル者、用テ特驗アリ。
上記の2文の「引背微痛」と「痃癖」(けんぺき)はとくにこの「痃癖」はまごうかたなき「肩こり」の古典用語です。
この原典の中には「心身症」「胆石症」も「胃潰瘍」という字も、ありません。ただある患者さんの一定の状態というか、アンバランスが起きている状態が記載されていて、この状態の方ならば、どんな病名の方が飲んでも、その病名が発生した体質にアプローチするので、深いところからの効果が認められるというのが、漢方医学の真骨頂です。
きっとこの方の勉強された西洋医学の概念で書かれた書物には「原典」の記載がなかったのでしょう。
私が上記のように説明をさせて頂きますと「それなら納得がいきます!」とのおへんじ。。。。。威勢のよい方でした。。。。
浅田宗伯翁(1815年生まれ~1895年没)(あさだそうはく)
明治時代の漢方医で「栗園(宗伯)の前に栗園なく栗園の後に栗園なし」と言われる程、明治期の漢方薬普及を促した漢方医。
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写真には可愛くない看板を入れてみました。(なんでこんな看板にしたんだろう)
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