私の所を訪れる方には、さまざまな悩みや苦悩を背負い色々な方が訪れて来ます。
ご自分では悩みの重荷に耐えかねて、誰でもいいから相談に乗って欲しい
なかには一歩間違えたなら、まっとうな人生から道を踏み外し、塀の中での
暮らしに向かうような、切羽詰まった状況に置かれている人も来ます。
過去の経験なかでも印象的だったのは、数え年78歳の妙齢の女性でした。
聞けばその女性は、本家の長女として家族はもとより、親戚の子供達までも
一心不乱に働きながら面倒を見てきたそうです。
その間、独身を貫き働いて得たお金は親戚の子供の学費や実弟の住居改造費、
果ては甥っ子や姪っ子の車両購入費や独立資金の用立てに消え、トータルの
金額は耳を疑うような数字でした。
ただ、その女性の悩みは「お金」に関したことではなく、「心の葛藤」に関する
お悩みでした。
人生を振り返ってみたなら、身内親戚のために尽くすだけ尽くしても、本人は
78歳まで独身を通し「浮いた話」もなかったようで、老齢となったいまは話し
相手もいない孤独な生活が最も耐えられないことだと言うのです。
次いで彼女の口をついて出た言葉は、私の想定内の言葉でした。
「死ぬまでに一度でいいから結婚をしたいと思っているのです」
「九占舎様が言うには、名前を変えれば思いは叶うと私は思ったのですが・・。」
「お金はいくらかかっても良いのです」
私は彼女の真剣な眼差しを見て、「あぁこの方は、本当にそのよう思っているのだな」と不思議な感動を覚えました。
このところ良く聞くのは、「結婚は妥協の産物であってはならない」とか、「日本人としてこの国に住んではいても今の日本には希望が持てないし、結婚をしたとしても果たして幸せを共有できるのでしょうか?」「まして先がないこの国で子供を産むなんて・・」そのような意見が大勢を占めるようです。
今の女性は結婚をせずとも昔に比べたなら社会では十分に重用され、男よりも仕事と言う人「キャリアウーマン」が多くなったような気がします。
私は結婚否定派ではありませんが、社会保障や教育費の増大、子育て支援体制がなされていない現状では、結婚への夢物語ばかりを語るには一歩も二歩もネガティブ志向になります。
話は逸れてしまいましたが、その女性への返答は次のようなものだったと思います。
「おばあちゃん。貴女が名前を変える必要はまったく無いですよ」
「何故なら貴女のお名前はとても良い運勢を背負っていて、だからこそ多くの方たちを助けてきたじゃあありませんか」
「人生、何が幸せかといえば、人に感謝をされる人生を歩むことですよね」
「貴女は身内の犠牲になった!!と思っていても、それが貴女の宿命だったのです」
彼女は納得をして帰りましたが、本当はその女性は長くてあと二年の人生だったのです。
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でもさー沢山の人が毎日頑張っているのに、報われる人とそうでない人がいるのは、どうしてって思うことも結構あるよ。
運命だからって言い切れないことも多いしね。