日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

沖縄の声

2007年10月19日 | インポート
戦時中の出来事を、無かった事にしようとしている国家。

それに対して、事実を正しく表記すべきだという事で、沖縄の人たちが行動をおこしている。

「捕虜になるくらいなら自決せよ」という事を、意識の中に叩き込まれて戦場へ送られた兵隊さんたちが、米軍が上陸して追い込まれた状況下において、住民に自決を促したであろうことは容易に想像できる。

また、実際にそのような自決の指示を受けたという証言者もいるのに、国家検定の教科書から、そのような表現を除外して、無かった事にしようとしていた。

それに対して沖縄の人たちが「正しい表現をすべきだ」という事で行動をおこすと、教科書制作会社からの修正申請という形での決着を図ろうとしている政府。

「検定」という権力の行使によって、教科書会社が提示した正しい表記の原案を削除させておきながら、都合が悪くなると今度は教科書制作会社側に「修正申請」をさせるようにして、教科書検定の審議会の審議内容とその責任を隠そうとしている。

姑息だ。

教科書制作会社は、国家のお墨付きをいただかなければ、公的な教育の場での教科書としての販売ができないので、国家からの指示には絶対服従にならざるを得ない。

教科書の「検定」の必要性は認めるが、あった事を無かった事にしようとする姿勢は認め難い。

歴史教育の中でも、近現代分野に関しては、証言や具体性のある資料などにより検証できる事柄も少なくないだろう。

歴史の事実は、教育の場で正しく伝えるべきである。



豊田かずき