欧州のシンクタンクは21日、ロシアによるウクライナ侵攻開始から2年となるのを前に欧州で実施した世論調査の結果を公表した。前線での苦戦を認めるウクライナの勝利を信じる人が10%にとどまった一方、ロシアが勝つとの回答は20%に上った。(時事)
戦死者が増えようがお構いなしに攻め込むロシアと、弾薬が底をつき防戦一方のウクライナという構図に見えて、世論調査は厳しい結果となった。このブログでは昨年末勝敗は決していると書いたが、実態はなりふり構わぬロシアによって吹き飛んでしまった格好だ。フィンランドとスウェーデンまでもNATO入りが決定し、ロシアの目論見は灰燼に帰した筈だった。
一つには、経済制裁の効果が一向に功を奏さないことにある。二つには、死んでも死んでも兵隊を送り続ける恐ろしい独裁国家体制にある。三つには、兵器があまりに脆弱なせいである。欧米の強い兵器を使えないとすると攻撃力がなく、防戦一方となるのは当然だろう。また、ロシア内での反戦運動や厭戦が広まらないことも誤算である。
10%とはいえ、ウクライナが負けるようなことがあってはならない。万万が一ウクライナが負けたとしても、ロシアは未曽有の経済社会の破綻によって事実上の敗戦国に成り下がる運命だけは変えられないのではないだろうか。それだけは最後まで信じていたい。