オートバイでの旋回では、身
体の上体を立てて真横にヤジ
ロベエのように倒すのではな
く、軸重はマシンのセンター
に置いたまま腰をひねって車
体の「前」の「下」にねじり
込むように体重移動をさせる。
ステアリングは外圧をかけず
決してこじらない。
下半身で身体はホールドする。
インステップには加重させな
い。足が外れては不安定にな
るので荷重はしているが加重
はさせない。
尻を完全にシートから外すハ
ングフォームでも、尻を半分
シートに残すセミハングフォ
ームでも、イン側の膝は硬直
させずいつでも開度を自在に
取れるように脱力させる。
外側の太腿と足部のステップ
でマシンホールドし、背骨は
前傾させて腰部分にかけて
「くの字」に自然に曲がるよ
うにする。
上半身には一切力は入れない。
これ、ハングさせないウイズ
のフォームでも原理は同じだ。
大切な事は、上体を起こして
頭部が高い位置のまま真横に
ヤジロベエのように車を倒さ
ない事。
そのような事をすると、路面
からのトラクションや接地感
感知や挙動変化への機敏で正
確な対応は一切できなくなる。
地蔵搭載のような載り方では
二輪車の適正旋回はできない。
ハングさせない場面でも原理
は同じ。
二輪車の旋回において極めて
安定かつ有効なハングフォー
ムは1970年代中期~後半に世
界チャンピオンのケニー・ロ
バーツが完成させたとされて
いる。
だが、重心をインにずらして
イン側の膝を開く乗り方は、
1960年代初期のWGPではすで
に多くの世界トップライダー
によって実行されていた。
リーンウイズのままだとバン
ク角が深くなりすぎるからだ。
ケニー・ロバーツ。二輪ロード
モデルの走りの基本。ケニーの
メソッドが二輪走行のバイブル
だ。
世界チャンピオンになった時点
で、すでにそのテクニックは歴
史上普遍性を持つ程に完成され
ていた。