知り合いでもない、ラーメン屋さんの店長が無くなったことで、
こんなにも、ショックを受けるとは思ってもおりませんでした。
訃報を目にし、思わず、「えっ」と声が出てしまいました。
「ラーメンの鬼」佐野実さん死去
テレビ番組内の企画「ガチンコラーメン道」、当時もあまりテレビは観ない方でしたが、
これは・・・毎週、ものすごく楽しみに見ておりました(ご参考までに、YouTubeでも、一部、ご覧になれます)。
新横浜のラーメン博物館に行ったときには、必ず「支那そばや」さんにも行きました(厚見さんとのライブの後も行っていましたねー)。
「病室ですすった最後のラーメン 亡くなった佐野実さん」
「63歳の誕生日を迎えた今月4日。佐野さんの強い希望で、病室に『支那そばや』の醬油(しょうゆ)ラーメンを内緒で持ち込んだ。しおりさんは体調を気遣い、スープを薄めていた。実さんは『まずいよ、うすいよ』と言いながら、麺を10本ほどすすった。それが『鬼』と呼ばれた職人が口にした最後のラーメンになった」
なんでしょう、この寂しさは。
勿論、仕方のないこと。
向田邦子さんのエッセイで、こんな話がありました。
味噌汁にトウガラシを入れるのが好きだった、向田さんのお祖父さん。
寡黙なお祖父さんは、よく、鼻を真っ赤にして、フウフウいいながら、真っ赤な味噌汁を飲んでいたのだそうです。
しかしお祖母さん(『祖母は癪の強い人だった』、との記述がありました。いわゆる、かかあ天下、だったようです)は、
「そんなもの入れちゃ身体に毒だよ!」と、トウガラシを取り上げ、好きなようには入れさせてあげなかったそうです。
お祖父さんは、強くは言わず、ただ、寂しそうに、黙って、トウガラシの入っていない味噌汁をすすっていたそうです。
もしかしたら、お祖父さんが身体を壊したから、だったのかもしれませんが、そのあたりの記述は忘れてしまいました。
そして、突然のように亡くなったお祖父さんのお葬式の席で、
お祖母さんが、こんな言葉を言った、
というものがありました。
「こんなに早く死んじまうんだったら・・・、トウガラシくらい、好きなだけかけさせてやりゃよかったよ」
なんだか、忘れらないエッセイなのです。
合掌。
近々、ラーメン食べなきゃ、です。
いや、今からか・・・?
ではー。