室温が22度を下回り始めたので、数日前に床暖房のスイッチを入れた。
毎年のことだが床暖の操作には戸惑う。
トシのせいで忘れるから、毎回マニュアルを読むことから始めなければならない。
わが家の床は5つのゾーンに分かれていて、そのひとつひとつにコレがある。
写真はAゾーンの設定画面。
これを操作して、流す湯の温度を24時間ぶん設定するのだが、これがとんでもなく難しく、半年も操作しないと忘れてしまう。
来年の設定のためにと、自分用の分かりやすいマニュアルを作ったりもしたが、翌年にそれを読んだら、やはり難解だった(笑)。
一条工務店の全館24h床暖房は「室温」ではなく「流す湯の温度」を設定する仕組みになっている。
設定操作も難しいが、設定した結果として室温が何度になるかは、過去の経験値から自分で推測するしかない。
しかも全館暖房だから、スイッチを入れてから安定した室温になるまで3日もかかる。
全館暖房というのは、押し入れの中にある布団類や食器棚の食器など、屋内のあらゆるモノ全部を暖めるという考え方だから、使い始めは室温が安定するまでに長い時間がかかってしまう。
というわけで、ようやく一昨日あたりから部屋の温度が落ち着いてきた。
床暖房のスイッチは、来年の桜が咲く頃まで入れっぱなしになる。
ところで余談になるが、一条工務店の全館24h床暖房はちょっと面白い。
今頃の季節だと、床に通す湯温を27度に設定すると、床の表面温度は24度になり、室温は22度になる。
厳寒期になると湯温を30度ぐらいに上げるが、床面の24度と室温22度はほとんど変わらない。
床面24度というのは、裸足で踏んで冷たくはないが、暖かくもない温度である。
床暖房には「床がポカポカ」というイメージを持っていたので、最初のうちは暖かくない床が不思議だった。
全ての床に床暖房があるから、高い温度にしなくても室温は上がるのだろう。
これに関連して面白いのは、室内空間の温度分布。
わが家は平屋なのに吹き抜けがあり、その天井高さは5メートルもある。
上に2階が無いから、5メートルの天井付近には暖房された暖かい空気が溜まるはずである。
そう思って、釣竿の先端に温度計を付けて、高さごとの室温を計ったことがある。
温度計の重さで、穂先が大きく曲がっている。
驚いたことに、天井付近も床面付近も全く同じ22度だった。
一般に吹き抜けは部屋の暖房効率を著しく落とすものだが、これを見ると一条の家は落とさないようである。
驚きはしたが、良く考えれば理由がわかる。
一条工務店の全館24h床暖房では、上昇するような熱い空気がどこにも存在していないからである。
また逆に、窓を開いて外気を入れたら、重い冷気は床面に拡がって床暖房で暖められるから、低い位置の室温が低くなることもない。
冬の一条の家には、寒い場所は無いが、ポカポカと暖まれるような場所もないのである。
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