北海道からの帰り道に、新潟の道の駅でハバネーロを見つけて買ってきた。
柚子胡椒を作るためである。
激辛の青唐辛子が見つからないので、今年はこれを使ってみる。
風味を良くするために、青唐辛子も加えるつもりだ。
自宅に帰ると、庭の柚子が大きく育っている。
よしよし・・・
激辛の唐辛子を刻む作業には、ゴム手袋にゴーグルとマスクが必須だ。
素手でやろうものなら、その夜は手指が「辛くて」眠れないことになる。
ハバネーロというのは、日本で一番辛い唐辛子の品種「熊鷹」の2倍の辛さがあり、タバスコに比べれば6倍以上も辛いという。
グラフにある「スコヴィル単位」というのは、甘み液で何倍に希釈したら辛さを感じなくなるかという、辛さの指標だ。
ハバネロは辛さの王様なのである。
辛さの王様でも、割って中の種を取り除くだけなら大丈夫だろうと甘く見て、ゴム手袋だけをつけて、台所で作業をした。
4つ割りにし、ピーマンみたいな入り方をしている種を、ていねいに取り除く。
作業が終わり、シンク内に散らばった残骸を温水で流したとたん、セキに襲われた。
温水をかけることで、辛味成分が飛散したのだろうか。
慌てて洗面所に逃げたものの、猛烈なセキとクシャミ、鼻水と涙。
セキが連続して止まらず、しまいには「オエー!」。
ああ苦しかった。
なめたらいかん。
今度はマスクとゴーグルで完全武装し、風通しの良い庭に出て作業の続き。
やはり、備えあれば憂いなし。
おそるべき暴君ハバネーロを、フードプロセッサーで微塵切りにし、塩を混ぜてガラスビンに封じ込めることに成功した。
これを青唐辛子で増量し、柚子の皮をすりおろして混ぜ、しばらく寝かせれば柚子胡椒が完成する。
市販品のように塩辛くない、自分好みの味になる筈だ。