CLASS3103 三十三組

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【読書】アンティークディーラー 世界の宝を扱う知られざるビジネス

2015-04-27 21:39:19 | 読書感想文とか読み物レビウー
アンティークディーラー 世界の宝を扱う知られざるビジネス  
著:石井 陽青

西洋アンティークを中心に取り扱う、
骨董商といっていいのか、いわゆる
アンティークディーラーの仕事と、
扱うもの、そして世界の情勢を書いた
なかなか面白い本でありました
非常に興味深い内容でありました

著者は存外若いといいますか、
話を借りてしまうと、最期の徒花といっていいのか、
骨董華やかなりし頃を知る最期の世代といってもいい、
そんな具合であります、40歳くらいというのが
ポイントのようであります
その年齢ながらも、この業界には古くというか
そこそこ昔からなじんでいた様子で、
華やかだった頃の時代感や、
それと異なる現在の流れみたいなのが
ステキに綴られておりまして、
一つの歴史を読むようで面白いのであります

内容は、アンティークとは何かというレクチュアから、
簡単な鑑別方法紹介、名品の紹介、
そして世界の骨董事情を紹介という具合で、
これ一冊で、なんとなく、この業界のアウトラインが
見えたような気になれるというか、
かなりステキなできばえであります
大変解りやすい、もっとも、これだけ解りやすいということは
本当のところというか、肝の部分は
きっとここに記されていないんだろうと
思いはするものの、こういう世界は凄いなと
ただ、感嘆といった具合で読めるのでありました

個人的に骨董は好きなものの、
西洋アンティークは専門外というか、興味の外でしたが
この本で、少しわいた感じもしておりまして
カメオとか、貴石とか、ジュエリーにまつわるそれこれも
ちょっとだけ見て回ってみようかなと
思わなくもないのであります
何につけても、現在は中国資本なんだなぁと
改めて思い知ることもありましたけど、
一番の収穫はアンティークという100年前という定義が、
ちょうど、ダウントンアビーの世界軸、
貴族が最期の輝きを放ったときで、
その時だからこそ、お抱えの技師、職人によって作られた
凄い逸品があるという、それが楽しいと
思い知ったのであります
もう、そんな道楽をする人々がいないのだなと思うと
なんというか、金持ちはパトロンとして
そういうことしたらいいのにと
無責任なことを思うのでありました


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