村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
1週間で50万部も売れる本なんて、あまり読みたくはありませんが、
まあ、今までの付き合いもあることだし、つい買って読んでしまいました。
あやふやな印象評だから、当てにならないけど、
何だか、60を越えた村上春樹が、もう一度「ノルウェーの森」を
書き直してみました、という感じね。今度は、羽目をはずさず、たがを緩めず
60代の分別を少し持ち込んでもみました、というところでしょうか。
「ノルウェーの森」の筋立てなんて、ほとんど覚えていないんですが、
それまでの文章、構成の抑制をはずして、叙情に流れを任せてしまって、
ほとんどハーレクイーンの小説一歩手前まで行ってしまったよ、という印象でした。
(ご本人さんは「リアリズム小説」と言ってるようですけど。)
でも、そのために、作品はばか売れしてしまって、一挙に世界的作家にまでなってしまったのでした。
でも、同時に、作家自身はそこから立ち直るのは実に大変だったのではないかと思い、
その後はどんな風に立ち直ってくるのか、その試行錯誤を見守る感じで読んで来たわけですが。
それにしても、次はどんな小説を書くか、今や世界中からの期待を背負ってしまった作家になられました。
そのプレッシャーがどれほどで、どんな心境にあるのか、想像を超えてしまうのですが、
「これはこれで、いや~なかなか大変だよね。」と思ってしまうわけです。
でもって、本日のお散歩も曇り空。
別に猫好きではないけれど、猫って、
ニャンともカメラの被写体になりやすいよね。 ↓