医者になってから初めて在宅勤務ということをした。
そもそも病理医は普段患者さんを直接診ることはないのだから、そんなのいくらでもできるだろうと考える人もいるかもしれないが、それはそれでこれまでは難しいことだった。
患者さんから採取された組織を顕微鏡で診るときには、適切な標本ができてなくてはいけないので、実際の検体を自分の手で切り出す必要がある。
遠隔で指示して行なうことも可能だが、実物をみないとこれがなかなか難しい。
標本の向きが縦横間違っていたら、どうしようもないのだ。
診断書を書いていたらいいというわけでもなく、常勤の病理医は臨床医とのディスカッションも必要となる。
私が専門医療を行う病理医として赴任したのはそのためだ。
ただ、仕事を集約することはできる。
患者さんの状況に応じて、術中迅速診断のように必ずその場にいなくてはできなことがある一方で、管理職業務は病院にいなくてもできる。
私が直接手を下さなくてはいけない業務をまとめるようにしたら、テレワークは可能になる。
週に1日は在宅勤務が可能ではないかと思っている。
放射線科の画像診断はすでに遠隔診断が可能となってきている。
個人情報保護の技術があがれば、病理も一部の症例は遠隔診断ができるようになると思っている。
緊急事態宣言の最大の目標は家にいること。
病院勤務者だって用がなければ行く必要はない。
今回の新型コロナウイルス感染症(COVID19)への対応も、戦争状態であることを考えたら、3日に1日ぐらいは帰宅してまる1日休むぐらいの休養が必要だ。
私の場合、往復3時間半以上をかけて、東京に突っ込んでいくのは、私自身にとっても東京都にとっても神奈川県にとっても迷惑だ。
私一人が行かなければ、その間すれ違う百人、二百人の人のストレスも軽減される。
新型コロナウイルス感染症(COVID19)の蔓延に伴って、多くの業種で、在宅勤務、テレワークの可能性が模索されているが、病理医の仕事もテレワークが可能ではないかと模索することにした。
私の場合、去年出て行った息子の部屋がそのまま書斎になっている。
たまにやってきて泊まっていくことがあるので、まだベッドは置いてあるが、在宅ワークをするにあたって支障はない。
今日は大雨と寒さも手伝ってくれて一日中家の中にいることができ、仕事も捗った。
明日はまた通勤電車に乗るが、そのこと自体を疑問に感じるようになってしまう。
色々工夫をしていこう。
社会を変えるきっかけに
父も、87歳にして週1精神科外来勤務してますが(元、精神病理学専門ー貧乏なので仕事やめられず?)精神科はコロナには役に立たないし、もし、病院で感染したら、設備のある別の病院に行くしかないと言ってました。私は、一応病院だから多少安心と思っていたのですが😓実家にも帰れてないので。
医療関係の皆様、本当にご苦労様です。
お父様は外来をされているということですと、臨床の精神科の先生なんですね。そうすると精神病理学ではないですか?神経病理学は病理医の方がほとんどなので。でも、昔の精神科の先生は組織を見ていたのかもしれませんね。
COVID19に感染しないよう、お伝えください。