2010/05/28発売の夜花光さん原作、
●忘れないでいてくれ●を聞きました。
すごくお勧め。
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久々にのめり込んで聴きました。なんか最近同じようなCD(同じような脚本に適当なおざなりな音楽っていう感じ)が多くって辟易していたんですが(あまりにひどくてレビューをする気にならないCDもいっぱいあってなんだかもう本当にトホホでした。)、久しぶりに気合い入れてレビューする気にさせてくれた一本でしたわ
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やっぱりちゃんとした脚本とか、声優さんの演技に見合った演出をちゃんとやってほしいってそう思うんですよね。
作品もCD向きとそうじゃないのもあると思うし、リスナーとしては全部の作品をCDにしなくっていいから、ちゃんと選んでほしいなあってすごく思います。
ってことでこれは面白かった
キャスト様は
屋清涼 : 遊佐浩二 秦野道也 : 安元洋貴
塚本、電車のアナウンス : 檜山修之
幸田 実、幸田 毅、おでん屋のオヤジ : 松本保典
花吹雪、北野 : 中川慶一
一色和彦、羽根田 秋雄、ラーメン屋の店主 : 桐木 仁
水科麻菜、プリン、バーのママ : 一色まゆ
黒薔薇、佳織、喫茶店の店員、ヘルパー : 羽飼まり
となっております。
人の記憶を覗き、消す能力を持つ清廉な美貌の守屋清涼。
見た目に反して豪放磊落な性格の清涼は、その能力を活かして生計を立てていた。
そんなある日、ヤクザのような目つきの鋭い秦野という刑事が突然現れる。
清涼は重要な事件を目撃した女性の記憶を消したと詰られ脅されるが、
仕返しに秦野の記憶を覗き、彼のトラウマを指摘してしまう。
しかし、逆に激昂した秦野は、清涼を無理矢理押し倒し、蹂躙してきて――!?
と言うわけですが。
秀作ですね。原作は読んでいないので、どのくらい再現されているのかは謎ですけれども、CDとしてはすごくよくできていたと思います!あっという間に2本聞いちゃいました。
まずはキャスティングが最高
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これはATISや阿部さんならではの技でしょうね。
清涼を遊佐さんが。
皮肉っぽくてどうしようもなく無茶苦茶口が悪くて、でも美貌の超能力者。こう書くとファンタジーのようですが、彼はリアリストです。極めて人間っぽいのもいい。
人の記憶や過去の映像を触れることで読みとることができる能力を生かして、人の過去を消す商売をしております。
その清涼自身が実は見つからない過去をもっているんですけども。
ひねくれ具合がもう遊佐さんにしかできないでしょう。まさに低音でヒールそのままの演技でして、(このまま攻もいけそうなボイス)この状態での受が聴けると思うと冒頭から期待大です^^;
で、事件がらみで女性のトラウマを消してやったんですが、それがどうも事件がらみだったようで、捜査一課の刑事秦野が乗り込んできます。
この秦野を安元さん。いや~~もう心底渋くてかっこいい、重低音が渋くて本当にかっこいいです
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。秦野のトラウマを清涼がうっかり刺激してしまったもんだから秦野は逆上して清涼を抱いてしまいます。いやこの流れは少々強引ですが、まあこういうこともあるんでしょうか(笑
しか~しこれをきっかけにかっこいい秦野は一転してヘタレワンコ状態に~(いや、かっこいいんですけどね、ふふふ。)清涼にいいように振り回されまくるはめになるわけです。
脇役も素晴らしくって、清涼の友人で雇用主(?)の塚本を檜山さんが。
この塚本ってのが曲者で、ひねくれものの清涼の上をいくあたりが最高。
塚本はなんだかんだいって清涼をことあることに精神的に支えてあげていていい人です。本当にいい人です。私なら塚本に惚れるなあ。この檜山さんの演技も聴きどころです。
さて、ストーリーはいろいろと進み、事件や清涼の過去にかかわる人物として、秦野の先輩刑事幸田が持ち上がってきます。
この幸田をなんと松本保典さんが。いや~ん、二役なんですが、いやいやもう松本さんいい味だしておられます。流石の演技力。贅沢だなあ。ダブりがあるのも面白い。松本さんをキャスティングできるあたりが阿部さん力(?)
で、安元×遊佐なわけですが。
も~うかわいすぎる攻とひねくれツンデレの受!こういうのがお好きな方には悶え死に状態かもしれん。いつのまにか秦野が清涼の心に深く踏み込んでいく様が非常に丁寧に描いてあって、もう本当にどきどきします
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段々と翻弄されていく清涼の困惑っぷりと最後に心が通い合ったあとのラブシーンはもう涙でそうにハッピーかつ色っぽくて。たまらんです。
安元さんが演じる秦野の清涼への愛にあふれまくっていて、本当に素敵。
どうして自分の気持ちが分からないのかと感情をぶつけるシーンに涙がほろり。
あ~いいね。
二人がず~っとしゃべっておられるんですが、とにかく演技に力がこもっているので、ぐいぐいっとひきこまれていきます。
罪と罰とか考えるのにもいいかも。そして時効は撤廃されてしまったんで、こういう作品も変わっていくのかなあとか思ってしまった。
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