2008/07/25発売の、和泉桂さん原作、
☆罪の褥も濡れる夜を聞きました。
とうとう4作目のCDです。
私の中で、名作ランキングに刻み込まれつつある素晴らしい作品です。
文句ナシにオススメ。
キャスト様は
伏見義康:遊佐浩二、清澗寺冬貴:神谷浩史
清澗寺貴久:三木眞一郎、清澗寺和貴:野島健児
嵯峨野経行:秋元羊介、嵯峨野綾子:増田ゆき
伏見広康:野島裕史、柴崎敬眞:花輪英司
清澗寺俊貴:鈴木賢、伏見憲康:滝知史
内藤:宮下栄治、戸塚:川田紳司、高柳耕助:林和良
高山:御園行洋、平田:大原崇、幼少時の義康:斎賀みつき
幼少時の冬貴:粕谷雄太、幼少時の国貴:鈴木真仁
友人:長門三照・河本啓佑、義康の母:臺奈津樹
舘川男爵夫人:西墻由香、芸者:安井絵里・戸塚利絵
となっております。
なんという豪華キャスト。
伏見男爵家の三男の義康は、友人との賭けで清澗寺へ忍び込む。
そこで出会ったのは、信じられないほど綺麗な美しい少女だった。
その場で政界の重鎮・嵯峨野公爵と知り合いになった義康は、帝大を目指しながら公爵の後継者となる。その後、同族婚を繰り返し、何かと不穏な噂のある清澗寺家に閉じ込められている無垢な御曹司冬貴が実は例の美少女、であったことを知る。
清澗寺伯爵は、冬貴を元服の後、誰かのものにしようと考えていたが、義康は、その前に冬貴を鎌倉の別宅へ連れ込み、自分のものにしてしまう。
しかし、冬貴は伯爵家に連れ戻され、義康は忌まわしい儀式を目の当たりにあたりにする。
罪の意識にさいなまれる義康は、冬貴を守ろうと決意するが、冬貴は淫らな生活を続け…。
そんな感じです。
私はこのシリーズは息子の和貴の話
☆夜ごと蜜は滴りて☆で相当はまってしまった口なのですが、そのときのキーワードがこの冬貴パパだったわけです。年をとっているはずなのに、信じられないほど美しく、淫らな行為を伏見のおじさまと続けているこの不思議なパパ。
和貴は幼少の頃パパと伏見のおじさまとの情事を目の当たりにしてしまい、パパとそっくりな自分をパパと重ね、こんな忌まわしい家は自分の代で破滅させようと思い悩むわけです。→そして小西さんが演じる書生に出会うっていう流れです。。。
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そのとき、やたらと色っぽかった遊佐さん演じる伏見のおじさまと、神谷さん演じる冬貴は、非常にミステリアスな関係で、とても気になっていたんですが。
彼らの出会いからのラブロマンス、しかも3枚組みです。
これを聞いて、ああ、そうなのね!!
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と手を打ってしまったわたし。和貴のことも、
☆この罪深き夜に☆の国貴のことも、そして前作
●せつなさは夜の媚薬●についてもちらり、と触れられています。
作者の先生自体が、プロットを見なおして、冬貴というものを再度構築されたご様子。しかも、神谷さんが演じられた冬貴を聞かれて、冬貴の本質が見えてきたという。。
そのくらい神谷さんの演じる冬貴は素晴らしいです
最初の出会いのシーンでは、別の方がやっておられましたが、神谷さんでもよかったんじゃないの?というのが私の感想。義康の幼少期の斎賀さんはすごくぴったりだと思いましたが。
冬貴については巫女のような人間で、7年ごとに転機が訪れるようです。詳しくは語られないので、ミステリアスなままなのですが、義康と会って7年後、冬貴が大人になったシーンは、目が眩むほどの色っぽさに義康でなくとも倒れてしまうかと思いました。
義康をもちろん遊佐さんがやっておられますが、10代から中年に至るまで、微妙に声のトーンが変わって行く様が素敵です。義康は本当に冬貴が好きで、10ウン年も冬貴に自分がしてやれることは何か、冬貴を自分のものにするのはどうすればよいのか考え続け、挙句の果てには兄弟も、自分を愛する女をも使って策略をめぐらせるわけです。(自分を愛してくれる綾子と冬貴を無理やり関係を持たせ、子供を作らせるシーンは何だかもう悲しいやら色っぽいやら)。
伯爵役を三木さんがやっておられまして、これがまたもう怪しげな美貌の老紳士(ビジュアル的には冬貴のように美しい)が似合いすぎ。ため息がでます。
退廃的で、妖艶で。
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ずっと義康の目線で描かれておりまして、ひたすら遊佐さんのモノローグなんですが、これがまた素晴らしい。義康は順調に出世して冬貴を守ろうとするけれど、いろんなことが空回りしていくわけです。色んな人間が冬貴と関係を持つ中で、唯一手を出さなかった兄にまで嫉妬し、策を講じてしまう義康。学者の兄をなんとも野島兄さんが演じておられます(おおおお、伏見家にノジマ兄。冬貴の息子がノジマ弟です)。本当に義康のことを可愛がっていて、冬貴のことをも大切に思っているだけなのですが。それが余計に義康をいらだたせます。野島兄さんの穏やかでしっとりとしたボイスがとてもナイスだと思いました。後に義康を再びいらだたせる存在として、作家の柴崎という男がでてきますが、義康は兄と似ているためにいらいらするわけです。
この柴崎を花輪さんがやっております。優しげな声で聞かせてくれております。
冬貴との関係に疲れ果て、義康は海外に行ってしまうわけですが。
冬貴が義康に告白するシーンは、涙涙です。
純粋すぎる愛情、なんですよね、冬貴の義康に対する想いは。ただそばにいて、あたためてほしかったという。ただそれだけ。
そのまわりで義康はぐるぐると自分の嫉妬心や独占欲で苦しんでいただけなんですよな。
この作品では、何度も濃いラブシーンが出てまいりますが、もうそれはそれは目も眩むほどの耽美な世界です。
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ただただ義康を求め続ける冬貴の言葉の色っぽさ、ささやきの甘さ。エトセトラエトセトラ。よくぞここまで演じてくれたなあと正直いって神谷さんにまたまた脱帽してしまいました。場面場面によって喘ぎ声ひとつとっても全て違う。感情の込め方がすべて違う。DISK2の訣別のシーンで、耳元で冬貴がささやくシーンがあるんですが、
鳥肌が立ちました。
完全に遊佐さんは攻なんですが、精神的には、遊佐さんのほうがふりまわされているような、そんな感じがしました。ええもう遊佐さんの攻も最高に色っぽくて、艶やかで、遊佐受推奨の私でも大絶賛です。
BLCDってエロエロなのも楽しみの一つなんでしょうけど、こういうどうしようもない切ない気持ちがこもっててこそドキドキずきずきするんじゃないのかなあと再確認してしまった私。ああバカにしている奴らにこの演技を聞かせたい!!と思ってしまったよ。
やっぱり神谷さんはすごいと感動すらしてしまった私。
シリーズもう一度聞き返そうと思いました。
番外編も1編入っておりまして、そっちではちょろっと和貴と伏見のおじさまの色っぽいシーンがきけちゃったりします。
歴史の勉強もできちゃったりね。
高いけど、買って良かったです。
無茶苦茶オススメ。聞いてソンはないかと。
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