さゆりのひとり言-多発性骨髄腫と共に-

多発性骨髄腫歴20年/'08年4月臍帯血移植/「病気は個性」時にコケながらも前向きに/はまっこ代表/看護師/NPO所属

指輪の哲学

2009年01月16日 21時29分45秒 | コイバナ
それは、クリスマスのデートを数日後に控えたある日のこと。
朝のメールから、彼はどんよりとしていた。
気分が乗らないと言い、珍しく言葉少なく素っ気ない。

理由はクリスマスデートで明らかにされた。

手編みの手袋を喜んでくれているように感じる反面、
彼の表情が次第に曇っていくようにも感じ、不安になった。
やっぱり、今どき手編みの手袋を喜んでくれる人なんていないか…。

しかし、そうではなかった。
手袋はサプライズプレゼントで、編んでいる事は話していなかった。
つまり、あの日、メールでブルーになる理由にはならなかった。

彼は、少しずつ語りはじめた。

クリスマスデートを前に…
久しく彼女とクリスマスを過ごしていなかった彼は、クリスマスプレゼントに何を贈ろうか、悩んでいた。
あまりにも悶々と考えてしまい、買いに行く時間も取れなくなり…ブルーになってしまった。
ディナーはフレンチのシェフをしている友人が経営しているお店で、ビシッと決めようと思っていた。
ところが、クリスマス直後の週末だったその日は、すでに予約でいっぱいで、友人とはいえ、どうにもならない状況だった。
デートを前に、彼は更にブルーになった。

デートは楽しかった。
さゆりは頑張って足元の悪い丘を登ってくれた。
自分が気に入っている景色に、一緒になって感動してくれたのは嬉しかった。
おんぶして下りる事は大したことではなかった。

しかし、さゆりがなっちゃん(甥っ子)のクリスマスプレゼントに、本人にそれとなく欲しい物を聞いて、それ(コンパス)をあげたっていう話を聞いて、ハッとした。
すごいと思った。
欲しい物をあげたほうがいいよね。
聞けば良かったのか、って思ったら情けなくなってしまった。

・・・。
だそうだ。
クリスマスプレゼント?
そりゃ、何かもらえたら嬉しいけど、
ドライブに連れ出してくれて、ディナーをごちそうしてくれて、
私には十分だった。
私だって、プレゼントなんて用意していない。
手袋は編んだけど…むしろもらってもらえるなら、っていう感じで。

こんなデリケートな彼氏でいいのか?
それが心配になった。
でも、今のところ、そんなナイーブな彼の一面がかわいく思えてしまう。
だから・・・

「ねえ、どんなもので悩んだの?」

(指輪かネックレス…?と照れながらジェスチャーで答える彼)

「そっか」

「ねえ、何が欲しい?一緒に買いに行く?」

「じゃあ、指輪が欲しいな。でも、一緒に買いに行くのはいや。何か良いものを選んで」

だって、一緒に買いに行くっていったって、予算とか分からないし、聞きにくいし。
でも、何か頂けるというのであれば、彼のセンスに任せて、と思ったのです。
さらに、彼のハードルを高くしてしまったようなんですけどね。


後日、友人とのおしゃべりでこの話をすると…

それは、私の哲学にはない!
この年になって、指輪やネックレスなんかの貴金属は、誕生日やクリスマスのプレゼントで欲しいと思わない。
だって、欲しいものは自分で買えるし、そういう欲しいのはそれなりに高価なもの。
2万3万の安い指輪もらって喜んでいるのは10代20代の若いうちだけ。

って言われてしまい…しょぼん。

そして、先日、誕生日後の週末、誕生日プレゼントで頂きました。
正直、私は超嬉しかった!!

指輪をプレゼントされるなんて、久しぶりだったし、
やっぱり、彼が選んでくれたというのがうれしかった。
デザインも、とっても気に入ったのです

ただ、サイズが合わなくて。
彼がお店に行ってくれると言ったのですが、ちゃんとしたサイズも分からなかったし、後日、自分でお店に行ってきました。
お直しではなく、交換(本当はダメらしいのだが、お店の人のご厚意で未使用だったので交換してくれました)だったので、すぐに持ち帰ることができ、
その場ではめて、ルンルンで帰ってきました。
その時、交換してもらった新しい指輪についていた値札をちらりと見ると…。
驚きました。
だいぶ、彼、頑張ったみたいです

いろんな意味で、自分に合ったものをちゃんとセレクトできるパートナーを選ぶ。
これ、私の哲学!
なんて思いました。

ちなみに、移植前に比べて2サイズダウンしていました。
でも、関節に合わせると8号だったんだけど、
はまってしまうとそれでもくるくる回ってしまいます。
指までこんなに細くなっていいるとは思いもしませんでした。

彼の見立てでは、サイズもばっちりだと思ったらしいのですが…
フフフ・・・


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