「けやぐの道草横丁」

身のまわりの自然と工芸、街あるきと川柳や歌への視点
「けやぐ」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです

#11.高岡漆器 「一器多用」のうつわ

2013年04月24日 | 工芸
  一見、朱塗りの吸物椀です。洗朱(あらいしゅ)の小吸椀(こすいわん)です。   でも、お解かりのことと思いますが、身の縁(ふち)にかわいい注ぎ口が付いています。   作り手は、伝統的なふたものに注ぎ口を付けると、吸物ばかりではなく、酒や油、酢、醤油、ソース、ドレッシングなどの「液体」調味料をそそぐ(サーブする)容器になること知り、新商品として創り出したのです。   伝統的な漆器の片口(かたく . . . 本文を読む

#10.「静けさと華やかさの共存」と芭蕉

2013年04月16日 | 工芸
   「日本の美しさ」とは「静けさと華やかさの共存」で、他の国にはない(※1)、といわれた千住博さん(日本画家,前京都造形芸術大学学長,ニューヨーク在住)の感性に、称賛と敬意を表するものの一人です。   決して当世流の解釈などではなく、「日本の美」の「原点」にフットライトを浴びせたという点で高く評価されるひとことだと思います。   日ごろああでもないこうでもないと考え続けていたことに、単純明快なセ . . . 本文を読む

#09.伊万里・有田焼 「鉄鉢/てっぱつ」型のうつわ

2013年04月01日 | 工芸
 使い手のうつわに対する行為をあらためてみてみると、一般に、盛る・装う、食べる・飲む、洗う・拭く、片づける・仕舞う、ときには鑑賞するなどがあります。よく一口に「使いやすい」といいますが、「なぜ」「どうして」使いやすいのかを、このような何気ない普段の行為や所作によりあらためて分析してみると、案外重大なデザインのヒントが発見できそうに思います。  この一年ほどの間にいわゆる皿洗いが大好きになりました . . . 本文を読む