言葉のチカラこぶ——『いい言葉塾』

言葉はコミュニケーションの基本。伝えたいことは「言葉のチカラ」できっと伝えられる。もっとうまく伝えられる。

「泣きっ面に蜂の焼肉店物語」(その5)

2012-10-17 10:41:39 | 繁盛店物語(創作)
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)


「泣きっ面に蜂の焼肉店物語」(その5)



肉の部位別の並と上、それに特上もある部位もある。

サイドも3種のキムチと各種のスープ。

中でもカルビスープは持ち帰りが出るほどの人気で、それだけを指名で買いにくるお客様もいるとのことだ。

その持ち帰り容器を見せてもらったが、それがいけなかった。

プラスティック製の丼のような容器で、味も素っ気もない。

それに蓋をかぶせ、さらにラップで包み込み、こぼれないようにしているということだった。


メニューを見て一番に感じたことは、価格の末尾が揃っていないことだった。

それは消費税をそのまま現行の価格に上乗せしてしまったことからきていると、一目で分かるものだった。

850円の消費税は42.5円だから、単純にそれを上乗せして892円(端数はカット)があると思うと、次には1029円があるといったもの。

そんな数字が並んでいる。

一目できれいじゃないなと本田は思った。

梶本としては、ただ単純に消費税が5%かかるし、総額表示をしなければいけないということで、そうなったのだと考えているが、それは何も考えていないのと同じことだった。

そんなときはやはり微調整し、末尾を今風に肉類は9円に統一するとか、単純に0円にするとか、そういった工夫は基本中の基本で、その中から損益ゼロにする算段をすればいいこと。

もちろんその気に乗じて利益を少し上乗せするということもできるが、それは商売人のやることじゃないなという気もする。

そのために、少しは末尾分を削る覚悟で商いをした方が、将来を考える意味では、正解だ。


メニュー自体にはそれ以外は問題はなかったが、やはりメニューの品名にはちょっとした説明=キャプションがあった方が、お客様にもわかりやすいだろう。

それに待つ間にも、お客様にさらに選んでもらえる可能性も少しは高くなる。

末尾の統一と合わせて、やはりメニューも早急に再デザインした方が良さそうだ。

しかしメニューなどは些末なことで、根本的な売上改善にはならない。

何が一番問題なのだろう。


店内を見渡したところ、客席は焼肉店らしく、4人から6人が座れるボックス席が12席ある。

しかしふたり客用のテーブルはない。

これではランチに多い一人客対応が難しく、4人席に一人だけのお客様が座ると、相席になるおそれも多い。

焼肉店での相席になると、もしかしたら頼むメニューによっては、焼き網まで共有ということになってしまう。

それはさすがにいやがられるだろう。

やはりひとり用は必要ないとしても、ふたり用の席は数席準備した方がいいように思われた。


「さて、現状から見てアドバイスできるところはこの場で申し上げるとして、提案できるものがあるとすれば、その分しばらく時間をいただかなければなりません。ですので、今日のところは少し店を見させていただきます」

「はい、お願いします」


                          <6>へつづく



(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)



それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

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