一時は再生医療という言葉がいろいろ使われ、新しい医療として大いに注目されていましたが、最近ではすっかり下火になってしまった感があります。
iPS細胞の発明で山中先生がノーベル賞を受賞されたのが2012年ですので既に10年経ってしまいました。その間色々な組織への応用が報告されていますが、予想していたよりは進展が遅いような気がしています。
大阪大学や京都大学の研究グループが、人間のiPS細胞から椎間板中心部の組織を再生するラットでの実験に成功したと発表しました。この組織が失われることで起きる症状(椎間板変性)は腰痛の原因のひとつとされ、将来的には腰痛治療への応用が期待できるようです。
国内では約1300万人が腰痛をかかえており、このうち20〜40%は脊椎の骨と骨の間にある椎間板が変性し、神経を刺激することなどが原因となっています。
変性の多くは椎間板の中心部にありクッションの役割を果たす「髄核」が、加齢や過剰な圧力で変性することで始まると考えられており治療法は残念ながらほとんどありません。
研究グループはすでに開発されているiPS細胞から軟骨細胞を作る技術を応用し、髄核を形成する細胞に類似した組織を作製しました。髄核を切除したラットに移植して6か月間経過を観察したところ、椎間板の変性を防ぎ髄核の機能を取り戻す再生効果を確認しました。
研究グループは、今後大型動物で同様の試験を行い、臨床試験を目指したいとしています。この成果は素晴らしいものだとは思いますが、本来iPS細胞(人工多能性幹細胞)はどんな細胞にも誘導できる幹細胞として画期的なものでした。
それまでにも幹細胞としては、ES細胞などが見つかっていましたが、人間のES細胞はヒト胚から取り出すため色々と倫理上の問題などが出ていました。
それがどんな細胞からでも作ることができる人工的なiPS細胞が発明されたことで、一挙に再生医療分野が発展することを期待されたわけです。実際それから間もなく網膜細胞などが作られ、実際に移植して成功したようですが、大きな問題がありました。
それがこの治験に数千万円という多額のコストがかかることでした。この角膜移植は初期の実験でもあり、色々と費用がかさむのかと思っていましたが、その後発表されるiPS細胞関連の組織の作製にはやはり数千万円以上かかっているようでした。
私のような素人にはどこにそんな費用が掛かるのかは分かりませんが、iPS研究所の所長になられた山中先生も、簡単に作製できるよう工夫をされたようでした。
今回の椎間板組織を作るのにどの程度の費用が掛かるのか分かりませんが、iPS細胞研究が限られた研究チームでしか進んでいないのは、やはりコストの問題かもしれません。
iPS細胞研究がこの10年ほとんど進んでいないのは、この多額の費用が原因であれば、iPS細胞の限界であるのかもしれません。
iPS細胞の発明で山中先生がノーベル賞を受賞されたのが2012年ですので既に10年経ってしまいました。その間色々な組織への応用が報告されていますが、予想していたよりは進展が遅いような気がしています。
大阪大学や京都大学の研究グループが、人間のiPS細胞から椎間板中心部の組織を再生するラットでの実験に成功したと発表しました。この組織が失われることで起きる症状(椎間板変性)は腰痛の原因のひとつとされ、将来的には腰痛治療への応用が期待できるようです。
国内では約1300万人が腰痛をかかえており、このうち20〜40%は脊椎の骨と骨の間にある椎間板が変性し、神経を刺激することなどが原因となっています。
変性の多くは椎間板の中心部にありクッションの役割を果たす「髄核」が、加齢や過剰な圧力で変性することで始まると考えられており治療法は残念ながらほとんどありません。
研究グループはすでに開発されているiPS細胞から軟骨細胞を作る技術を応用し、髄核を形成する細胞に類似した組織を作製しました。髄核を切除したラットに移植して6か月間経過を観察したところ、椎間板の変性を防ぎ髄核の機能を取り戻す再生効果を確認しました。
研究グループは、今後大型動物で同様の試験を行い、臨床試験を目指したいとしています。この成果は素晴らしいものだとは思いますが、本来iPS細胞(人工多能性幹細胞)はどんな細胞にも誘導できる幹細胞として画期的なものでした。
それまでにも幹細胞としては、ES細胞などが見つかっていましたが、人間のES細胞はヒト胚から取り出すため色々と倫理上の問題などが出ていました。
それがどんな細胞からでも作ることができる人工的なiPS細胞が発明されたことで、一挙に再生医療分野が発展することを期待されたわけです。実際それから間もなく網膜細胞などが作られ、実際に移植して成功したようですが、大きな問題がありました。
それがこの治験に数千万円という多額のコストがかかることでした。この角膜移植は初期の実験でもあり、色々と費用がかさむのかと思っていましたが、その後発表されるiPS細胞関連の組織の作製にはやはり数千万円以上かかっているようでした。
私のような素人にはどこにそんな費用が掛かるのかは分かりませんが、iPS研究所の所長になられた山中先生も、簡単に作製できるよう工夫をされたようでした。
今回の椎間板組織を作るのにどの程度の費用が掛かるのか分かりませんが、iPS細胞研究が限られた研究チームでしか進んでいないのは、やはりコストの問題かもしれません。
iPS細胞研究がこの10年ほとんど進んでいないのは、この多額の費用が原因であれば、iPS細胞の限界であるのかもしれません。
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