ごっとさんのブログ

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「正しい医療は無い」は本当か

2019-08-23 10:27:54 | 健康・医療
病院にかかっているから安心、検診を受けているから安心と思っている人は多いと思いますが、この安心感は虚像でしかないという説があります。

収入が高い人が長生きをすることは経験的にも統計的にも明らかですが、この要因はあまりはっきりしていません。医療にお金をかけるほど寿命が伸びるかのように思いますが、それを疑う専門家も多いようです。

2017年、アメリカのダートマス医療政策研究所から「収入とガンの過剰診断、過剰診断が問題になるとき」という論文が発表されました。

それによると、乳ガン、前立腺ガン、甲状腺ガン、メラノーマの4種類のガンの発見率は高所得者層が低所得者層の「2倍」であるにもかかわらず、死亡率は両者に差がありませんでした。

発見率が高くなっても死亡率が変わらないのは、早期発見を目指したガン検診が、治療の必要のない患者に対する過剰医療を生み、かえって寿命を縮めるのではという懸念が出ています。寿命を縮めるような無駄な医療、つまり「過剰医療」は大きく三つに分けられます。

まず医療機器の過剰使用です。日本は諸外国と比べて圧倒的にCT保有数が多いことは有名です。日本は100万人当たり107.2台と、他国の4倍近いCTを保有しています。

一般的にCT検査の被ばく線量は胸部X線撮影の線量の600倍と言われ、CT検査によるガンの発生件数は約30,000件、その内の14,500件が死亡すると予想されています(やや極端な数字の気がしますが)。

次が薬の過剰投与です。薬やサプリメントには相互作用があり、飲み合わせによっては思いもよらない有害事象に遭遇します。薬の見直しが正しく行われず、ある薬の副作用に対して別の薬が処方され、さらにその副作用に対処するために次の薬が処方されるという連鎖が起きれば、飲み薬は雪だるま式に増えていきます。

最後が過剰治療となります。健診などで様々な検査をすると、比較的無害な「ガンの疑い」を高い確率で見つけてしまいます。このような形で見つかった場合、そのほとんどが無害と思っても放置するわけにはいかず、結局は手術や抗ガン剤治療を受けることになります。

これが過剰医療ですが、これらによる副作用・合併症で命を落としたり命を縮めることがあるのです。こういった過剰医療の要因としては、医療機関の営利目的や患者さんの思い込み、医師の防衛医療等いろいろ挙げられます。

長生きしたければ病院に行くなという説までありますが、通常は良い医療機関を選ぶという選択肢はあまりないような気がします。私の基本である「普通の食事と睡眠」で健康を守り、病院に行く回数を減らすというのが正しいのかもしれません。


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