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その場で上達する学習と後で身に付く学習

2023-08-08 10:36:13 | その他
現在週に1回テニススクールに行っていますが、コーチに指導されてすぐに治せる場合と、しばらく経ってから何となくできるようになる場合があるようです。

こういったことはそれぞれ脳の細胞の働き方が違い、互いに関連しない別の過程であることが東北大学の研究グループのマウスの実験で分かりました。

脳のグリア細胞から特定の物質が出ないようにすると「その場学習」ができなくなる一方、「じわじわ学習」は成立しました。グリア細胞の理解を深めれば、さまざまな学習やリハビリなどの効果アップ法につながる可能性があるとしています。

研究者たちはトレーニングでその場学習の出来が良いほど、それを引き継ぎ後のじわじわ学習も良くなると考えてきました。実際はその場で実感できなくても後で上達している場合や、逆にその場でうまくできたはずなのに翌日実感できないことがあります。

そこで東北大学の研究グループは、この2種類の学習が互いに違う記憶形成過程による可能性があるとしてマウスによる実験に挑みました。

この実験に当たっては特にグリア細胞に着目しましたが、グリア細胞は脳内の神経細胞以外の細胞で、電気信号を出さないため情報処理には関わらないと考えられていました。

実験ではマウスの目の動きを利用しましたが、動物には動くものを自然に眼で追う習性があります。マウスの目の前で縦縞模様が左右に行き来すると、追いかけるように眼が動きます。始めは追いきれませんが、次第に目の動きの振幅が大きくなり追えるようになります。

この様な体で覚える学習は、小脳が担っています。この目の動きを15分間トレーニングさせたのち、暗闇で1時間休ませて振幅を調べました。すると休憩で振幅が戻ってしまうマウスや、逆に休憩後にだけ良くなったマウス、どちらでもよくなったマウスがいて個性があることが分かりました。

つまりその場とじわじわの2種類の学習は互いに独立し、並行して成り立っていると考えられます。その他グリア細胞に遺伝子改変の技術を取り入れた多くの実験を行いましたが、かなり専門的なためここでは省略します。

結論としては、グリア細胞の働き方次第でその場学習の成績を高めることも抑えることもでき、それとは無関係にじわじわ学習が進むことが分かりました。つまりその場学習とじわじわ学習は別々に始まり、独立して併存しているようです。

その場学習の延長にじわじわ学習があるのではなく、じわじわ学習には遅れがあり、効果の発揮に時間がかかるとしています。

こういった学習のメカニズムが分かってもテニスがうまくなるわけではありませんが、歳をとると両方の学習効果が出なくなるのは確かなようです。


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