ごっとさんのブログ

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「耐性菌」私の独断と偏見

2018-07-22 08:21:53 | 自然
先日家猫のコブンが何か調子が悪いのか元気がないし、体を触るとやや熱い感じがしたので熱を測ってみたところ39.5℃ありました。ネコの平熱は38.5程度といわれていますのでやや高いようでした。

ネコは調子が悪くなると何も食べずにじっとして、自分で直してしまうものですがかみさんが獣医に行こうというので連れていきました。

コブンを診察してもらったところやや熱が高い以外は異常なところはなく、血液検査も問題ありませんでした。結局感染症だろうということで、皮下点滴をして抗生物質の注射を打ち、抗生物質をもらって帰ってきました。

その折、抗生物質を出すと耐性菌が増えるということがあるという話になりましたが、忙しい病院ですのでそのまま帰ってきました。

さて耐性菌の話です。耐性菌というのは通常抗生物質を分解する酵素を持っており、抗生物質で殺せなくなる菌を指します。なぜ耐性菌が出現するかというと、あくまで菌の突然変異によるものです。

例えばペニシリンなどを分解する酵素をβ-ラクタマーゼと呼んでいますが、これは別にペニシリンを分解するために作られたわけではありません。菌がタンパク質を分解するためにもともと持っていた酵素の遺伝子の一部が偶然変異し、酵素の基質特異性が変わってペニシリンにも作用するようになったものです。

抗生物質があると耐性菌が出現するという言い方をしますが、突然変異というのは名前の通り遺伝子の一部が変異するだけのものですので、目的をもって変異するなどと言うことはありません。

抗生物質があるから、それを分解するように変異するなどと言うことは、理論的にあり得ないのです。つまりペニシリンがあろうがなかろうが、突然変異は起こりβ-ラクタマーゼができることもあるということになります。

極端な言い方をすると、人間が抗生物質発見するはるか前から耐性菌(当然そんな名前はつきませんが)は存在していたことになります。

またタンパク質分解酵素の基質特異性が変わってしまったような菌は、本来の働きが弱まるため自然界の中では生存しにくい菌となり、大量に発生することはないと思われます。

ただし何かの病原菌によって発病し、抗生物質で治療を受けたりすると、ほとんどの菌は死滅します。その中にもともと耐性菌がいた場合は、競合する菌がいなくなりますのでその耐性菌が増殖することはあります。

しかしこういった菌は弱毒性ですので、通常は何の症状も起こさないのですが、入院して弱っており免疫機能が低下しているような人は、何らかの症状が出てしまうことになります。

以上が私の考える耐性菌の話ですが、基本的には耐性菌を問題にする必要はないと思っています。


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