ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

ガン検診の本当の目的

2019-12-29 09:54:34 | 健康・医療
ガン検診の目的は「ガンを早く見つけること」と思っていましたが、どうもそうではないようです。

市町村が主体となり、公共の対策として行うガン健診を対策型検診と呼びます。対象となるガンは胃ガン、子宮頸ガン、肺ガン、乳ガン、大腸ガンの5種類です。

それぞれ対象年齢と頻度が決まっており、数百円から数千円で受けられるよう国費が投入されています。それに対し人間ドックのような、自費で受ける健診を任意型検診と呼んでいます。

一般に「ガン検診」と呼ぶときは前者の対策型検診を指し、その目的はガンの死亡率を減少させることとされています。国立がん研究センターのガン情報サービスにも多くのガンを早期に見つけることは、ガン検診の目的ではないと書かれています。

その例が「神経芽腫」という病気で、幼少期に多いガンのひとつで、進行すると治療が非常に難しい病気です。この腫瘍があるとある化学物質が尿中に排泄されるため、赤ちゃんに尿検査をして早期に発見しようという取り組みが行われていた時代があります。

1984年から全国的にこの検診は開始され、1998年までに2200万人以上の乳児が検査を受け、約2700例の神経芽腫が発見されました。ところが2003年にこの検診は中止されてしまいました。これは死亡率を低下させる効果がないとする報告が相次いだからです。

ここで問題になったのが「過剰診断」と「合併症の増加」でした。過剰診断とは治療の必要のないガンを見つけてしまうという意味です。ガンの中には、進行が非常に遅く治療をしなくても命にかかわらないものがあります。

ところがガンを見つけてしまうと当然治療をしますが、本来必要なかったはずの治療を受けることになってしまうわけです。しかしこれは非常に難しい問題で、多くのガンは治療しなかった場合は進行し、それが原因で亡くなります。

ですから現実的にはその個人のガンが過剰診断なのかどうかを知るすべはありません。そこで対策型検診は「検診を受けた人の方が死亡率が低くなる」というガン種に限って行っているわけです。

人間ドックのような任意型検診は、死亡率の低下が証明されていない検査も多く含まれており、こういったデメリットも理解しておく必要があるようです。検診とは全く無症状の人(現状では何も困っていない人)が受けるものだからです。

この過剰診断の問題は私は年齢で判断して良いと思っています。私ぐらいの歳になると(70歳過ぎると)、ガン治療としての手術や抗ガン剤の副作用など考えると、何もしなかった場合とそれほど余命に差が出ないような気がします。

この辺りは個人の好みのようなものですので、他人が関与することでは無いでしょう。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿