表記タイトルの記事を見ましたが、青いトマトに毒があるとは知りませんでした。
この毒はトマチンといい、ジャガイモの芽に含まれるソラニンと類似の物質のようです。芽が出たジャガイモは食べない方良いという話は聞いたことがあり、その毒成分のソラニンは比較的有名?です。このトマチンとソラニンはともにステロイド系アルカロイド配糖体というグループに属する化合物で、一般的に抗菌作用があるとされています。
トマチンの毒性については、あまり詳しくわからないのですが、LD50と含有量が記載されていました。LD50は半数致死量という毒性の目安で、トマチンではマウスで32mg/Kgですので、極端に毒性が強いわけではありませんが、かなり危険な化合物といえます。このトマトの含有量は、未熟果実中が465mg/Kgとかなり多く、ある程度塾した青い果実では48mg/Kgとなり、通常食べる完熟果実では0.4mg/Kgとほとんど問題にならない量となります。
このマウスの値を人間に直すと(50キロとして)1600mgとなりますので、未熟果実でさえ3.5Kgで危険な値ですから、いかにもまずそうな未熟のトマトを食べることは無いので、実質的な危険はないようです。なお最近では、トマチンに抗腫瘍活性やコレステロール低下作用があり、そういった方向でも注目されているようです。
この記事の中でトマトは未熟なうちに虫に食われたりしないようにトマチンを作り出しているのだろうとしていますが、植物などが何のために複雑な化合物を作っているのかという問題は、そう簡単なものではないと思っています。トマトもナス科の植物ですが、一般にナス科の植物は面白い化合物を作り出しているものが多いようです。
例えば瞳を広げる散瞳剤として使われているアトロピンもナス科の植物です。イチイという植物が、タキソールとして使われている抗がん剤を作っていますが、これが植物自身に何の役割を果たしているのかは、全く分かっていません。たぶん植物進化の過程で、必然的に作る遺伝子が出来上がったようですが、なんのためにという部分は「永遠の謎」ではないかと思っています。
さてこの研究グループは、トマチンの合成に関与する多数の遺伝子の働きを統括する「マスター遺伝子」を見つけたようです。組み換え実験でこの遺伝子の働きを活発にすると、トマチン量は2倍に増え、逆に抑制するとトマチン量は半分以下になったと報告しています。この成果でトマチン量を抑えたトマトの育種が可能になったとしています。
この研究結果が実際のトマト栽培に何か役立つのかはわかりませんが、こういった遺伝子を調べることで、なぜトマトがトマチンを作るのかが解明されるのかもしれません。
この毒はトマチンといい、ジャガイモの芽に含まれるソラニンと類似の物質のようです。芽が出たジャガイモは食べない方良いという話は聞いたことがあり、その毒成分のソラニンは比較的有名?です。このトマチンとソラニンはともにステロイド系アルカロイド配糖体というグループに属する化合物で、一般的に抗菌作用があるとされています。
トマチンの毒性については、あまり詳しくわからないのですが、LD50と含有量が記載されていました。LD50は半数致死量という毒性の目安で、トマチンではマウスで32mg/Kgですので、極端に毒性が強いわけではありませんが、かなり危険な化合物といえます。このトマトの含有量は、未熟果実中が465mg/Kgとかなり多く、ある程度塾した青い果実では48mg/Kgとなり、通常食べる完熟果実では0.4mg/Kgとほとんど問題にならない量となります。
このマウスの値を人間に直すと(50キロとして)1600mgとなりますので、未熟果実でさえ3.5Kgで危険な値ですから、いかにもまずそうな未熟のトマトを食べることは無いので、実質的な危険はないようです。なお最近では、トマチンに抗腫瘍活性やコレステロール低下作用があり、そういった方向でも注目されているようです。
この記事の中でトマトは未熟なうちに虫に食われたりしないようにトマチンを作り出しているのだろうとしていますが、植物などが何のために複雑な化合物を作っているのかという問題は、そう簡単なものではないと思っています。トマトもナス科の植物ですが、一般にナス科の植物は面白い化合物を作り出しているものが多いようです。
例えば瞳を広げる散瞳剤として使われているアトロピンもナス科の植物です。イチイという植物が、タキソールとして使われている抗がん剤を作っていますが、これが植物自身に何の役割を果たしているのかは、全く分かっていません。たぶん植物進化の過程で、必然的に作る遺伝子が出来上がったようですが、なんのためにという部分は「永遠の謎」ではないかと思っています。
さてこの研究グループは、トマチンの合成に関与する多数の遺伝子の働きを統括する「マスター遺伝子」を見つけたようです。組み換え実験でこの遺伝子の働きを活発にすると、トマチン量は2倍に増え、逆に抑制するとトマチン量は半分以下になったと報告しています。この成果でトマチン量を抑えたトマトの育種が可能になったとしています。
この研究結果が実際のトマト栽培に何か役立つのかはわかりませんが、こういった遺伝子を調べることで、なぜトマトがトマチンを作るのかが解明されるのかもしれません。
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