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冬期に流行するノロウイルスのはなし

2018-02-07 10:43:03 | 自然
毎年冬に流行し、激しい嘔吐や下痢を引き起こすノロウイルスの話です。感染力はとても強く、集団感染や食中毒を引き起こしやすく注意が必要です。

ノロウイルスは、1968年アメリカオハイオ州の小学校で起きた集団胃腸炎の患者から始めて見つかりました。その後2002年の国際ウイルス分類委員会で「ノロウイルス」という名前が決まりました。

従来食中毒は細菌感染とされていましたが、近年はこういったウイルスによる感染が増加してきたようです。感染者の便や吐いたものに含まれるウイルスが手や食品についたり、乾燥して空気中に舞い上がったりして口から体内に入ることで感染します。ウイルスに汚染されたカキなど二枚貝を加熱が不十分な状態で食べても感染します。

感染力は強く、100~1000個ほどのウイルスが体内に入ると発症するといわれています。ウイルスは腸の中で増殖し、1~2日後に吐き気や嘔吐、腹痛、下痢といった症状が出ます。症状は2〜3日で収まることが多いのですが、下痢は1週間ほど続くこともあります。

下痢が治まっても1週間ほどはウイルスを出し続けるので、注意が必要です。

治療は対症療法が中心で、脱水状態にならないような対処しかないようです。予防ワクチンは、一部の企業で開発がすすめられていますが、製品化には至っていません。

患者は例年11月ごろから増え始め、まず抵抗力が弱い子供や高齢者が発病し、世話する人を通じて次第に感染が広がります。患者から大量に放出されたウイルスが下水から海に流れ、二枚貝に取り込まれます。

人に感染するノロウイルスの遺伝子型は約30種類あり、年によって流行する型が異なります。これまで流行していなかった遺伝子型や、同じ遺伝子型でも一部が変異したものが流行すると、大きな流行となる恐れがあります。

最近の研究では、人の血液型とウイルスの血清型の組み合わせが関係しており、ある株はO型とA型の人には感染するが、B型の人には感染しません。またB型、A型の人は感染するがO型の人には感染しないということが起こるということです。

これは家族中で感染しても、一人だけ無事な人がいるといったことからきているようですが、やや眉唾的な気もします。

この予防法といってもあまり有効な方法はないようです。基本は手荒いですが、せっけんやハンドソープを十分に泡立てて全体を洗い、流水で流すことを2回繰り返すということが推奨されているようですが、どの程度効果があるかは疑問のような気がします。

結局は十分な睡眠や栄養バランスの良い食事で体調を整え、免疫力を高めておくことが大切なようです。


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