ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

腎機能の低下によって思わぬ副作用が現れるケースがある

2024-11-25 10:31:47 | 健康・医療
自宅の近くにかなり大型のドラックストアがあります。ここは半分スーパーのようになっていますので、食品や飲料などもそろっておりよく利用しています。

行きつけのクリニックには当然薬局がありますが、ここはいつも混んでおりかなり待たされますので、このドラックストアの調剤薬局で薬を出してもらっています。

この店の一角にサプリメントのコーナーがありますが、驚くほどの多品種が並んでいます。ほとんどが機能性食品の類のようですが、医薬部外品などもありそうで、こういったものを多種類飲むのはやや恐ろしい感じもします。

確かにこうしたサプリメントの多重摂取による腎機能障害が出ることはあるようです。腎臓は血液をろ過して老廃物や余分な塩分を尿として体の外へ排出します。多くの医薬品も腎臓から身体の外へ排出されています。

また腎臓は体に必要なものを再吸収し、体内に留める働きもしています。しかしこれら腎臓の働き=腎機能は、年齢とともに低下していきます。腎臓の働きが低下すると、医薬品の排泄が遅れ、思わぬ副作用を起こしてしまうケースがあります。

そうしたこともあり薬剤師は腎機能の指標である血清クレアチニンやeGFRなどに注意を払い、腎機能に応じた薬の容量や投与回数などを医師に提案しています。

たとえば新型コロナの経口抗ウイルス薬であるパキロビッドパックの場合、eGFRが60未満の中等度腎機能障害患者では減量を、eGFRが30未満の重度腎機能障害患者では投与の中止もしくは投与する医薬品の変更を提案しています。

腎機能以外にも多くの医薬品を分解する肝臓などの機能も、年齢とともに徐々に低下していくため、長年飲みなれた薬でも副作用には注意が必要です。

たとえば20年間同じ血圧の薬しか服用していない患者が、ふらつきを訴えて病院に行き、血圧を測ると100/80を切っていたケースもあるようです。薬を代謝・排泄する機能が徐々に低下していったため、以前よりも薬の効果が強く出てしまったのかもしれません。

病院からの処方箋には、検査の数値が印刷されているケースが増えているようです。検査値は副作用の指標になるだけでなく、薬の容量調節にも使えるため、薬剤師にとっても役立つ数値としています。

しかしこの辺りは、医薬体制が理想的な場合(本来こうあるべきですが)であり、現実的には調剤薬局の薬剤師が医師に処方の変更を求めることはまずないような気がします。

処方箋に検査の数値が書かれているなどという事は記憶にありませんが、たとえ書いてあっても薬剤師がそれで処方を変えるような体制とは程遠いような気がします。

気付かないうちに筋肉が減る、サルコペニア

2024-11-24 10:31:58 | 健康・医療
私は2月にコロナの肺炎で入院した折、かなり体重が減ってしまいました。この時はベルトの孔が2つぐらいずれてしまいましたが、やっと元の孔に戻ったもののまだやや緩くなっています。

これは筋肉の減少ではないかもしれませんし、健康的にも問題はなくなっていますがやはり気になる状況といえます。

筋肉の減少は非常に早く始まり、30代からという説もあるようです。加齢によって筋肉量が減少し、筋力が低下した状態をサルコペニアといいます。筋肉は30代から毎年1〜2%ずつ減少し、80歳になると20代と比べて約30%もの筋肉が失われるといわれています。

サルコペニアは一般的に高齢者に多く見られますが、若い女性にもそのリスクがあることが分っています。女性は男性に比べて筋肉量が少ないうえに、現代に多いデスクワーク中心の生活では、身体を動かす機会も少なくなりがちです。

また極端な食事制限を行うダイエットによって、筋肉量の減少が加速する恐れがあります。筋肉量が減少すると冷え性や疲れやすさ、転びやすさなどに繋がるほか、糖尿病発症のリスクも高くなります。

特に隠れ肥満の人は、将来サルコペニア肥満になるリスクが高いので注意が必要です。隠れ肥満とは、BMIが正常範囲であっても体脂肪が多い状態です。具体的にはBMIが18.5〜25未満で、体脂肪率が30%以上の人が当てはまります。

この状態で加齢による筋力低下が進むとサルコペニア肥満となり、心臓、血管の病気や将来の要介護、うつ病などのリスクが高くなります。サルコペニアの予防には、適度な運動とされています。レジスタンス運動(筋トレ)やウォーキングなどの有酸素運動を習慣的に行うと良いようです。

またこれらの運動にはサルコペニアの予防だけでなく、3つのメリットもあります。その1:基礎代謝の向上、運動によって筋肉量が増えると、基礎代謝が高まり脂肪を効率よく燃焼できるようになります。

基礎代謝とは体温維持や呼吸など、生きていくために必要な最低限のエネルギーのことです。筋肉は基礎代謝で最も大きい割合を占めているため、筋肉が増えると脂肪が燃えやすい体になります。

その2:美肌効果、運動は美肌に効果的です。適度な運動は血行を促すので、肌の隅々まで酸素や栄養が行きわたります。その3:メンタルヘルスの向上、適度な運動をすると脳内でセロトニンが出ます。

セロトニンは脳内で感情や記憶を司る部分に働きかけ、リラックスやメンタル改善効果をもたらします。このところ疾病関係では、予防に必ず食事と運動が出てくるような気がします。

これで予防できるのであれば、病気の人はいなくなりそうですが、実際はかなり難しい問題なのかもしれません。

自覚症状がない肝臓ガンのサイン

2024-11-23 10:35:49 | 健康・医療

沈黙の臓器といわれる肝臓ですが、肝臓ガンは初期の段階では自覚症状がなく、ある程度進行してから症状が現れることが多いのが特徴です。

年齢別にみた肝臓ガンの罹患率は、男性では45歳から増加し始め、70歳代に横ばいとなります。女性では55歳から増加し始めて、罹患率、死亡率は男性の方が高く、女性の約3倍であるといわれています。

日本国内の肝臓ガンの死亡率の年次推移は、男女とも最近減少傾向にあり、罹患率は男性で減少、女性で横ばいになっています。肝臓ガンは主にウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、非アルコール性脂肪性疾患などのよる慢性的な炎症で起こります。

そのうち約90%はB型肝炎・C型肝炎ウイルスであり、長期間ウイルスに感染し肝臓の破壊と再生が繰り返されると、やがて肝臓が硬くなり肝硬変になります。

その過程でガン細胞を増殖させるガン遺伝子や、本来は細胞のガン化を抑える役割を持つガン抑制遺伝子が影響を受けて、遺伝子の突然変異が積み重なり、肝臓ガンを発症するといわれています。

肝臓ガンの治療では、肝切除手術、ラジオ波焼扼療法、カテーテル治療、抗ガン剤治療、分子標的薬、肝移植などが挙げられます。初期には自覚症状がほとんどなく、進行した場合には腹部のしこり、腹部圧迫感、腹部の痛みなどが出現する場合があります。

肝臓ガンが進行すると肝臓の機能が低下し、黄疸・むくみ・かゆみ・倦怠感などの症状が現れます。通常健康診断やほかの病気の検査の際に、見つかる場合も少なくありません。肝臓がんの病状が進行すると肝臓の機能が低下し、皮膚や眼が黄色くなる黄疸が現れます。

黄疸は血液中のビリルビンが増加することで発症するものです。ビリルビンはヘモグロビンが分解されることで生じるもので、通常であれば肝臓で処理されていますが、機能が低下するとビリルビンが処理されなくなり、血液中に増加し黄疸が現れます。

また肝臓ガンを疑う意外なサインとして、むくみが挙げられます。むくみとは何らかの原因によって、皮膚もしくは皮膚の下に水が溜まっている状態です。

肝臓は不要な物質を解毒し排出する働きがあるため、肝臓の機能が低下すると不要な物質が排出されず血液循環が悪化しむくみが発生するといわれています。その他かゆみも肝臓ガンの症状のひとつといわれています。

黄疸が出れば肝臓が悪いという感じがしますが、むくみやかゆみではなかなか気づくことができず、進行してしまうのかもしれません。>

日本人のメジャーな死因を予防する習慣

2024-11-22 10:32:05 | 健康・医療
死に至る病気の代表各といえば、ガン・心疾患・脳血管疾患ですが、近年新たに「誤嚥性肺炎」が加わったようです。

日本人の死因第6位にランクインし、死亡者の97%が70歳以上という誤嚥性肺炎は、高齢者にとって3大疾患にも劣らぬほどの大きな死亡リスクとなっています。

唾液と一緒に食べかすが、あるいは口の中の細菌が気管から肺へと流れ込み、それが蓄積して炎症を起こして肺炎になります。今や日本人のメジャーな死因となっている誤嚥性肺炎です。

近年とりわけものを飲み込む嚥下機能が衰えた高齢者にとって、この肺炎は大きな恐怖の対象になっています。しかし誤嚥とそれに伴う「むせ」は、高齢者に限らず老若男女誰しも避けることはできません。誤嚥性肺炎を防ぐにはどうすればいいのか。

誤嚥しても肺が菌まみれにならないように、口腔環境を清潔に保っておけばいいわけです。いくらむせかえるような誤嚥をしてたとしても、肺に流れ込むゴミが少なければ、肺が炎症を起こすまでには至らないからです。

すると歯磨きを熱心にすることで口の中をきれいに保とうとしがちですが、この常識は必ずしも正しいとは言えません。口腔内で細菌が一番繁殖しているのは、歯ではなく舌だからです。つまり誤嚥性肺炎を予防するために最も有効な口腔ケアは、歯磨きではなく舌掃除と言ことになります。

2009年増加の傾向が見られていた誤嚥性肺炎の死者数を前にして、厚生労働省は重い腰を上げ、正式に誤嚥性肺炎を減らす対策に乗り出しました。きれいな舌というとピンク色を想像するかもしれませんが、生まれたばかりの赤ちゃんの舌は肌色をしています。

実際適切な口腔ケアを行い長生きしている高齢者は、やはりきれいな肌色をしています。しかし多くの高齢者の舌は舌苔が生えて白くなったり、茶色かったり、黒かったりしています。

そうした汚い舌を放置しておくと、最終的には舌の奥に黒い毛が生えたような状態になることもあるようです。日本人は清潔好きで、丁寧に歯磨きをしている人は多いです。しかし同じ口の中でも舌をきれいにしている人はそれほど多くなく、口腔ケアの盲点といえるかもしれません。

歯を磨いたついでに舌そうじとして、そのまま歯ブラシで舌そうじをしがちですが、これはあまリ良くないようです。歯ブラシの毛はナイロン製のものがほとんどで、そのナイロンが舌の中に刺さり、舌が赤くなります。舌の表面にある味蕾の細胞を傷つけてしまっているのです。

舌そうじを検証した結果、味蕾を傷つけずにきれいに掃除できるのは、シリコン製のタンクリーナーだという結論となりました。舌ブラシとも呼ばれるもので、手軽に使えるようですので、たまには舌そうじをやるのも良いのかもしれません。

大部分のサプリメントに意味はない

2024-11-21 10:34:08 | 健康・医療
このブログでもたまにサプリメントについて取り上げますが、私はほとんど飲んだことはありません。

何年か前かみさんが喫煙でビタミンCが壊れるという事を読み、サプリメントを買ってきました。ビタミンCであれば飲んでも問題ないだろうと、しばらくカプセルを飲んだことがある程度です。

サプリメントは気軽に栄養を摂取できることから、多くの人が毎日摂取しているようです。ある試算によると、日本の健康食品・サプリメントの市場規模は約1兆4000億円に上ると言われています。

このサプリメントと健康の関係について、エビデンスの観点からどのようなことが分っているのでしょうか。結論的には、健康にメリットがあると考えられているサプリメントは数少ないようです。

サプリメントの市場規模が大きいこともあり、それによって利益を生み出そうとしている企業がたくさんあります。これらの企業が積極的に資金提供していることもあり、サプリメントに関してはさまざまな研究が行われていますが、その大多数が期待されたような結果を得られていません。

いま世界で最も活発に研究が行われているのが、オメガ3脂肪酸とビタミンDと思われます。オメガ3脂肪酸とはαリノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)など、魚やナッツ類に含まれるいわゆる健康に良い油のことです。

魚やナッツ類の摂取量が多い人ほど、心筋梗塞や動脈硬化で血管が詰まる病気のリスクが低いことは複数の研究結果で証明されているため、オメガ3脂肪酸がその要因となる成分なのではないかと考えられ、研究が進められてきました。

オメガ3脂肪酸に関して79の実験が同定され、そのうち25の研究が質が高いと評価され検証されました。その結果、オメガ3脂肪酸を摂取しても、心筋梗塞などによって死亡する確率は変わらないと結論付けられました。

次にビタミンDに関しても、まだ健康上のメリットがあるというエビデンスはないというのが結論であるようです。

高齢者に限りビタミンD3によって死亡率が下がる可能性が示唆されるものの、研究の質が全体的に低く、ビタミンD摂取による健康上のメリットはっきりしないと結論付けられました。

そもそもビタミンDは日光を浴びると皮膚で合成されるため、サプリメントで摂取しなくても日光を浴びればよいという説もあります。最新の試験でも、ビタミンDサプリメントの健康への影響も評価されましたが、偽薬と比べてガンや心筋梗塞を引き起こすリスクは変わらないという結果でした。

その他のサプリメントもいろいろ研究されていますが、メリットのエビデンスは出ていないようです。ただ私はサプリメントを飲むことによって、プラセボ効果はあると思っています。