私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

石之日売命の嫉妬とは

2015-06-14 15:23:34 | 日記
 仁徳天皇の大后<オホギサキ>石之日売命が大変な嫉妬の持ち主だったことは昨日書きました。では、一体どのくらい嫉妬したか、古事記に書いております。

 例えばです、天皇の側に仕える「妾」と書いて、<ミメタチ>と読ませております。更衣、即ち、天皇の御寝に奉仕する女官達の事です。
 石之日売命がいる時は、この妾<ミメタチ>は、決して、天皇の寝所だけでなく、宮中にさえ昇ることができなかったのです。なぜなら、彼女たちは何時も、この大后に監視されていて、彼女たちが、少しでも平日と異なった事をしようものなら、たちまち、皇后は

 “足母阿賀迦邇嫉妬<アシモアガガニネタミタマヒキ>”
 之状態になります。

 「足もあががに」足擦りをして悔しがるのですから、その結果、どういう彼女への仕打ちが待っていたのかは分かりませんが、相当な仕打ちがあったことには間違いありません。その仕打ちを恐れて、うかうかと天皇のお世話はできなかったのです。

 それを“不得臨宮中”と書いて、<ミヤノウチヲモ エノゾカズ>と読ましております。

 なお、この更衣達は平安時代になると四位、五位の位にある家の娘たちが勤めております。天皇の寝所のお世話ですから、お手がつきやすいのです。「更衣腹」なんて言葉も生まれるくらいです。だから、この大后が、彼女たちを、常に警戒していたことも分かりま。

 古事記を読むと、こんなこともあったのだということが分かるのです。どうです。面白いとお思いになりませんか。