「飢餓海峡」は水上勉の社会派推理小説の傑作で、繰り返し映像化舞台化されている。
飢餓海峡 (1/4)フルバージョン 萩原健一 若村麻由美 仲代達也
飢餓海峡 (2/4) フルバージョン 萩原健一 若村麻由美 仲代達也
飢餓海峡 (3/4) 萩原健一 若村麻由美 仲代達也 藤村志保
飢餓海峡 (4/4)萩原健一 若村麻由美 仲代達也 藤村志保
戦後、本性むき出しの人間を厭というほど見てきた
樽見京一郎(ショーケン)の深いセリフ。
あの時代を生き抜いてきた奴は、みんな人間のカスや。……
今こうやって生きてる人間は、みんなどっかで鬼ですな。
これは漱石も同じことを言っている。
わが身が危うければどんな無理なことでもしなければなりません。
そんな無法があるものかと力んで居る人は死ぬばかりであります。だから
現今ぴんぴん生息している人間は皆不正直もの
現代は
「そうですけど何か問題でも」
と思考停止で居直る段階に落魄している。
こうなると滅びは間近だ。
エンドロール直前シーンの独白
なぜ、生きることがこんなに哀しいのか。
こんなにも切ないのか。
…それはなぜ
あなたは、なぜか分かりたい
とおもってますか。
もうどうでもいいですか。
昔、映画版「飢餓海峡」の感想を書いた。
水上勉原作「飢餓海峡」
内田吐夢監督の東映映画を先に観た。それがあまりにも良かったので、その感動の余勢で小説にも手を出したって感じだ。おれは敗戦直後の荒廃混乱貧困を、(ほとんど類推に過ぎないにしても)辛うじて実感できる最後の世代なので、小説にも映画にもリアリティを感じることができる。今の若者とかにはぴんとこない内容だろう。
DVDを観る
「飢餓海峡」秀作
たぶん中学生の時だったとおもう。家の隣の東映で観た映画だ。ラストで三國連太郎扮する主人公が突然フェリーから飛びおり自殺する。その後の海と波の映像がいまだに鮮明なイメージとして残っていた。しかしストーリーや意味はまるで思い出せない。それが気になって何十年ぶりかで観なおした。わりと単純なストーリーだった。でも、今観ても見事な映画だ。
(My Favorite Songs)
「紙飛行機」