対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

弁証法の共時的構造と通時的構造

2011-05-08 | 案内

 弁証法の共時的構造は、「二個の主体」「「媒介性と相補性」など中埜肇が対話の特徴としてあげた要素をアルファベットと矢印で表示し、選ばれた2つの「論理的なもの」の自己表出と指示表出(中央にある bi + a と c + di)から、混成モメント(両側の a + di と c + bi) が形成される構造を表現している。

c bi + a di
+       +
bi c + di a

 弁証法の通時的構造は、認識における対立物の統一の過程を表わしたもので、いわゆる正反合の図式に対置している構造である。A =a+bi と A' =c+di を、複素数の掛け算をモデルにして、B=x+yi として複合する過程を表現している。

1(選択) A =a+bi
A' =c+di
2(混成) A×A' =(a+bi)×(c+di)
≒(a+di)×(c+bi)
3(統一) =(ac-bd)+(ab+cd)i
=x+yi
=B

 アルファベットで弁証法を表現する。ここにわたしの研究の特異性があった。

   ひらがな弁証法2010 

    第4章 終局――ひらがな弁証法

      1 弁証法の共時的構造と通時的構造