対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

あいてください

2015-12-22 | 日記
歯科で口を「あいてください」と言われる。「あけてください」が自然な表現のように思えた。ネットで調べてみると「あいてください」といっている歯科はかなりあるようだ。そして聞いた人は違和感をもち、その理由を探っている。
閉まっている扉に気づいて「あけて!」という場合、なかにいる人に依頼する感じがする。「あいて!」という場合、人に依頼するのではなく扉の自発的な動きを祈念する感じである。患者と直接に向き合うのを避ける(避けている)表現なのだろうか。
患者ではなく口に頼んでいると推測する人がいた。(何百人もの口だけを見ているうちに、口の主である患者さんに「"あなたの口を"開けて下さい」ではなく、口に直接「"お口さん"、開いてください~」という心理になったのではないでしょうか。)
他動詞と自動詞、動作と状態の境があいまいになっている例。口をあいてください。