対話とモノローグ

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εとμの複合8

2016-01-15 | εとμの複合
4 静電単位と電磁単位の比
5 1/√(με)es/emの関係

4 静電単位と電磁単位の比

マクスウェルは単位と次元の問題の重要性を指摘している。
(引用はじめ)
この二つの方法(静電的な方法と電磁的な方法――引用者注)から、電気量を測る単位として二つの相異なる単位が導かれる。この二つの単位の比は重要な物理量となるので、これを測定することを提案したい。これらの単位と、空間、時間、力の単位との関係を考えてみよう。
(引用おわり、「電磁気学の単位系が難しい理由」(FNの高校物理)より孫引き)

静電単位と電磁単位の比es/emを求めてみよう。
静電単位の電気量esの次元は電荷に対するクーロンの法則F1=k1・(e1e2)/r2から求めることができる。[es]=[k1-1/2F1/2L]

電磁単位の電気量の次元は「磁荷に対するクーロンの法則」と「電流と磁荷の相互関係(ビオ・サバールの法則)」を使って求めることができる。まず、磁荷の次元を求める。これは磁荷に対するクーロンの法則F2=k2・(m1m2)/r2より、[m]=[k2-1/2F1/2L]である。
次に電磁単位の電気量の次元を求めよう。電磁単位での電気量をemとするとi=dem/dtである。また「電流と磁荷の相互関係(ビオ・サバールの法則)dF=k3・(m(idl))/r2」を変形すると、k3・i(dl)/r2=dF/mである。ここにi=dem/dtを代入すると、
k3・(dl)/r2・(dem/dt)=dF/mである。
(dem)=(dF・r2・dt)/(m・k3・dl)
次元を見ているから、dF=F,r=dl=L,dt=Tである。
したがって、[em][(FL2T)/((k2-1/2F1/2L)・k3・L)]=[(F1/2T)/(k2-1/2・k3)]となる。分数の形を避けると電磁単位の電気量の次元[em]は、次のようになる。
[em]=[k21/2k3-1F1/2T]

まとめよう。
静電単位[es]=[k2-1/2F1/2L]
電磁単位[em]=[k21/2k3-1F1/2T]

静電単位と電磁単位の比を求めると、
[es/em]=[k2-1/2F1/2L / k21/2k3-1F1/2T]=[k1-1/2k2-1/2k3LT-1]となる。
静電単位と電磁単位の比は、速さの次元([LT-1])をもち、大きさがk1-1/2k2-1/2k3であることがわかる。es/em=k1-1/2k2-1/2k3である。