対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

「光の電磁波説」の誕生3

2016-03-29 | εとμの複合
4 速度の次元(Qm=Qsの場合)

(k11/2k21/2)/ k3 = (Qm/Qs)(dr/ dt)
ここでQm=Qsとする。すなわち電磁単位と静電単位を同じ電気量とみる。もちろん同じというのは電気量の大きさではなく、電気量という次元である。そして約分する。
(k11/2k21/2)/ k3 = (dr/ dt)
左辺は速度の次元をもつ定数であることがわかる。
これはこれまで比例定数の制約関係として
(k1k2)/ k32=(dr/ dt) 2=v2
とみられたものと同じである。これまではI=dq/dtからI2=(dq/dt)2とした後で、静電単位と電磁単位を考慮することなく、qq'q 2を同じ電気量の次元とみて約分していたのである。約分が前か後かの違いはあるが、 (k11/2k21/2)/ k3が速度の次元をもつという帰結は同じである。

5 電磁単位と静電単位の大きさの比(dr=dtの場合)

(k11/2k21/2)/ k3 = (Qm/Qs)(dr/ dt)
ここで dr=dt とする。すなわち距離と時間を同じ次元とみる。そして約分する。いいかえれば、上の関係式を時空(L・T)から切り離す。
(k11/2k21/2)/ k3 = (Qm/Qs)
左辺は電磁単位Qmと静電単位Qsの大きさの比を表わす。QmがQsの (k11/2k21/2)/ k3倍であることを表わしている。これはマクスウェルが「電磁気論」の中で「1つの電磁単位の中にn個の静電単位が含まれている」(n=(Qm/Qs))と想定したことに対応している。