カルチェフの『マクスウェルの生涯』を読んでいて、最初は驚き、次にはあり得ることだと思ったことがある。『電磁場の動力学理論』(1864年)において、マクスウェルは「電磁波」とはいうものの、「磁波」しか考えておらず、「電波」については気づいていなかったというのである。1864年までは、マクスウェルは「磁場のみが現れる式」しか導いていなかったことになる。
(引用はじめ)
マクスウェルが『電磁場の力学理論』の中で、自分の方程式を導き出したとき、その方程式のうちの一つは、まさにファラデーが述べていたこと、つまり、磁気作用は横波の形で実際に伝播するということを証明しているように思われた。
そのときには、まだマクスウェルは彼の方程式からさらに、磁気作用とともに電気的な擾乱も四方八方に広がるということが当然の帰結として出てくることに気づいていなかったようだ。
「波は、ただ磁気的擾乱からのみ成り立っています」とマクスウェルは、かれの式から与えられる帰結の一つに気付かずに書いている。
(引用おわり)
『電磁場の動力学理論』(A Dynamical Theory of Electromagnetic Field)はネットで公開されている。読みぬく力はもちろんないのだが、興味あるところを眺めている。
「波は、ただ磁気的擾乱からのみ成り立っています」。たしかにマクスウェルは書いていた。
This wave consists entirely of magnetic disturbances,….
「ε と μ の複合――マクスウェルの弁証法」
(引用はじめ)
マクスウェルが『電磁場の力学理論』の中で、自分の方程式を導き出したとき、その方程式のうちの一つは、まさにファラデーが述べていたこと、つまり、磁気作用は横波の形で実際に伝播するということを証明しているように思われた。
そのときには、まだマクスウェルは彼の方程式からさらに、磁気作用とともに電気的な擾乱も四方八方に広がるということが当然の帰結として出てくることに気づいていなかったようだ。
「波は、ただ磁気的擾乱からのみ成り立っています」とマクスウェルは、かれの式から与えられる帰結の一つに気付かずに書いている。
(引用おわり)
『電磁場の動力学理論』(A Dynamical Theory of Electromagnetic Field)はネットで公開されている。読みぬく力はもちろんないのだが、興味あるところを眺めている。
「波は、ただ磁気的擾乱からのみ成り立っています」。たしかにマクスウェルは書いていた。
This wave consists entirely of magnetic disturbances,….
「ε と μ の複合――マクスウェルの弁証法」