対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

右ねじの法則

2016-11-08 | ノート
右ねじは右まわり(時計まわり)にまわすと奥にすすみ締まる。この性質を利用して、電流が磁場から受ける力の向きを求める(ねじが進む向きに力が働く)。これは高校生に必要な技能である。アナログ時計で、長針をI(電流)、短針をB(磁束密度)としよう。その向きは針の向き、すなわち中心から文字の方向とする。
3時のとき、Iは上を向き、Bは右を向いている。この場合、IをBへまわしてみると、右まわり(時計まわり)で、右ねじは奥へ進む。力の向きは、向こう向きになる。すなわち、時計の表から裏の方向が力Fの向きである。こちらは考えやすい。
9時のとき、Iは上を向き、Bは左を向いている。この場合、IをBへまわしてみると、左まわり(反時計まわり)になり、右ねじはゆるんで手前に出てくることになる。それで力Fの向きは手前向き、すなわち時計の裏から表の方向と判断すればいいのだが、右ねじが締まる方向にこだわり、IからBへ右まわりにまわす傾向が見られる。時計の裏側に視点を移して右まわり(時計まわり)にこだわるのである。
右ねじの法則は右まわりの法則ではない。