対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

幻視のなかの橋3

2017-02-13 | 4元数
3 ijk=-1 

2つの原則を3元数の積に適用としたとき、非可換な関係と第4の元の関係式
ij=-ji=k
が出現する。
i2=-1,j2=-1を基礎にk2の値を調べてみると、
k2=(ij)2=ijij=-i(ij)j=-iijj=-i2j2=-1
であった。i2=j2=k2=-1となり、虚数単位として整合的で等価なものに思えた。自乗、いいかえれば内積は3つの虚元で等価である。
では、他乗、いいかえれば外積は3つの虚元に拡張できるだろうか。ハミルトンはできると仮定した。ijに対して、ij=-ji=kを仮定したのと同じように、jkに対してはjk=-kj=iを、またkiに対してはki=-ik=jを仮定したのである。いいかえれば3つの虚元に外積のウロボロス構造を想定したのである。

右ねじの向きに第3の元が生成する(ij=k,jk=i,ki=j)。反対の向きには非可換な関係を認める(ij=-ji,jk=-kj,ki=-ik)。
ここから何が導かれるだろうか。
ア)ij=k
ここに左からkを掛ける。
ijk=k2=-1
イ)jk=i
右からiを掛ける。
ijk=i2=-1
ウ)ki=j
-ik=j
右からjを掛ける。
-ikj=j2
ijk=j2=-1
どの場合も3つ虚元の間には
ijk=-1
の関係が成立している。これがij=-ji=kによって開かれた関係の帰結である。
こんどは逆にijk=-1を前提にして、内積と外積が導かれるか確かめてみよう。
内積
ijk=-1
(ij)k=k2=-1
i(jk)=i2=-1
-jik=j(ki)=j2=-1
外積
ijk=-1
右からkを掛ける。
ijk2=-k
-ij=-k
ij=k  ア)
ijk=-1
左からiを掛ける。
i2jk=-i
-jk=-i
jk=i   イ)
ijk=-1
-ikj=-1
左からjを掛ける。
-ikj2=-j
ik=-j
ki=j   ウ)
たしかにijk=-1から内積も外積も展開される。
i,j,kの関係式、i2=j2=k2=-1とijk=-1。ij=-ji=kの出現の前後で区切れば、i2=j2=-1とijk=k2=-1。ハミルトンは橋の近くまで来たのである。
i2=j2=k2=ijk=-1を見ておこう。